れじみ

お熱いのがお好きのれじみのレビュー・感想・評価

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)
3.4
マリリン・モンローの妖艶さもさることながら、やはり印象的なのは女性に変装して逃亡劇(と言ってもそれほど緊迫感はないが…)を繰り広げたジャック・レモンとトニー・カーティスだ。ユーモアたっぷりの2人の掛け合いが非常に魅力的。出色は船内とパーティ会場をカットバックで捉えたシーンだ。ロマンスとコメディが行き来する素晴らしい演出だ。

また、劇中当時は禁酒法が蔓延り、それに伴ったギャングの台頭、そして世界恐慌へと陥っていく前夜の時代であるが、そう言った時代を描いた作品としては奇妙なほどに陽気なことが特徴の一つである。敢えて陽気に描くことで、人々の酒への渇望や就職難、ギャングの残虐性が浮かび上がる構成なのが非常に上手い。
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