2024年46本目
“Well, nobody’s perfect.”
巨匠・ビリー・ワイルダーが、『アパートの鍵貸します』の前年に完成させた傑作コメディ
舞台は禁酒法時代のシカゴ。
失業中のジョーとジェリーは、偶然にも殺人事件を目撃。ギャングに追われるハメになった2人は、女装して名前を変え、女性オーケストラ一行に紛れ込み、ギャングの目を欺こうとする。
永遠のセックスシンボル・マリリン・モンローがヒロインを務め、女性楽団に潜入する2人をトニー・カーティスとジャック・レモンが演じる。
ジャック・レモンとトニー・カーティスの女装をよりナチュラルに見せるため、モノクロで撮影された。
AFIが選出した「アメリカ喜劇映画ベスト100」で1位を獲得した本作は、ビリー・ワイルダー監督の冴わたるコメディセンスが細部まで行き届いており、誰が見ても笑うようなユーモアが散りばめられている。
ジョーとジェリーが、『007は二度死ぬ』のショーン・コネリーと同レベルのバレバレ変装を施しつつ、高い声で話し続ける姿が最高に可笑しい。
ビリー・ワイルダーは『七年目の浮気』の製作終了後、色々あってもう2度とマリリンとは仕事をしないつもりだったみたいだけど、結果的にマリリンを起用したことは成功だったと言わざるを得ないくらい彼女の存在感は圧倒的。
今なおテレビ番組等で頻繁に耳にする”I Wanna Be Loved By You”の歌唱シーンは、この上なく色っぽくて目の保養だった。
ジャック・レモンの顔芸はやっぱり天下一品。
