“無理”を“笑い”で押し通すインドホラーの底力！

狼にお尻を半分齧り取られた主人公がスーパーパワーを手に入れちゃうインド産コメディホラー。環境保護と反人種差別というクソ真面目なテーマを、とことんまでにアホなノリと緩さとダンスで過剰装飾したインド映画らしい娯楽作！とにかくアホすぎてずっと笑ってた🤣

道路建設業者の主人公はインドの密林を貫く高速道路を建設するため、地元民の許可を取り付けようとするも長老たちから猛反発を受ける。じゃあ若者を味方にしよう！と思い立ち「自然なんかよりNetflixが良いよな？木よりもiPadが欲しいだろ？スタバもできるぞ！」の宣伝文句でゴリ押しするも、当の自分が狼に変身して味方の建設推進派たちを噛み殺していくもんだからトラブル続出。

しかも自分ですら変身に気づいておらず、仲間たちが不審に思って勝手に検便したら死人の残骸が出てきて大混乱。こんなのバレたら建設なんて続けられない…。しかも主人公は費用のために実家を内緒で抵当に入れてて崖っぷち。上手くみんなを騙くらかして無事に建設できるのか？っていうドタバタ劇。

満月の夜にカッコいい狼に変身するんだけど、クソダサいトランクス履いたままなの笑うし、主人公と会社の上司が便器座って脱糞してるのをスプリットスクリーンでシンクロさせるとか発想が頭おかしい！そんな感じでずっとふざけまくってる。恐怖演出も笑いで落とす箇所が多く、『ハウリング』『狼男アメリカン』を意識したであろう変身シーンもCG感強めで、シリアスなテーマもドラえもん映画よりさらに露骨な盛り込み方をしているため、違和感の残る箇所は多々ありつつもほとんど気にさせない勢いは流石のインド映画って感じ。

ユング的なシャドーと統合、そして精神性の継承といったの王道ストーリーでありながら、どう足掻いても擁護はできない爆弾を残しつつ、それすらも笑いと勢いでゴリ押しするパワーに感服。そういうことを批判してたような気がしてたからそれで良いの？って思ったけど多分良いんでしょう😂IMW2020で日本公開した『ストゥリー 女に呪われた町』と世界を共有した作品で今後もユニバース化予定らしい。

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