なかじま

愛と哀しみのボレロのなかじまのレビュー・感想・評価

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
3.5
ヨーロッパから見た第二次大戦ダイジェスト版、という印象。モデルになったアーティストについて詳しくないせいか......。
魅せるカット、華やかな音楽に目を引く人間ドラマ。戦争に翻弄されながらも誰しも人生があって、世界は次の世代へ引き継がれていく……のはわかるんだけど……。その世界ってどこまで?という疑問もある。当時のヨーロッパ、もしくはアメリカにとって世界はあそこまでだったのかな。欧米中心の物の見方、捉え方という意味では人間が通ってきた道を(意図せず)現代人に突き付けてくるようにも思えた。

作品としては楽しめた。鑑賞後の感覚はラストエンペラーと似ていて、壮大な歴史ドラマを見た感じ。音楽も楽しいし、映像も素敵。
ストーリー展開やテンポ感は緩いが、ストーリーよりとにかく人生を追うこと、音楽をはじめ芸術を映すことにフォーカスした3時間近い映画作品は、もう現代では作られないかもしれないな……。ある意味で貴重な作品だとも感じた。
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