ぷん

ゴジラ-1.0のぷんのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
戦後すぐにゴジラが来る

私は山崎貴監督の「ジュブナイル」の呪縛に囚われてます
一作目のジュブナイルのインパクトが強過ぎてどんなに失敗しても貶されても監督の映画を見てきました
やはり、監督は良くも悪くも映画を「大衆娯楽」と「ビジネス」として捉えてる印象です、そして出来る限り自分の精一杯の作品を作ってます(昭和な街並みやメカニック、宇宙戦艦ヤマトや今回のゴジラなど)
この監督の映画を見て、物足りなさを感じるのは監督なりの「物語的な哲学」を感じれないことです、私が思うに監督の映画に出てくる"悪"に思想がないことや登場人物に"人としての悪意"が無かったりと非常に日本人らしい"ピュア"さ"純粋"さを感じれるシーンが非常に多いことから、山崎監督はそもそも悪意のような矛盾した哲学的な感情を表現しない、もしくは出来ない監督なのだと思います
(新海誠監督も悪意を表現できない監督だと感じてます、これは良いとか悪いとかじゃなく、そういうタイプというだけの話です)
なのでどこか無菌状態の登場人物に違和感を感じるのだと思います、今回の「夫婦とその間に生まれた子供」ではなく「美談としての家族の形態」もそれにあたります
その純粋さは「大衆娯楽」と「ビジネス」と非常にマッチングが良く、特段変える要素でもないことから哲学的な要素は今後も出てくることはないかと思われます

私の結論としては、やはり山崎貴監督は、監督脚本VFXをずっと担当してるということもあり、どちらかといえば技術者寄り、VFXや技術的な背景芸術の方が得意な方なんだと感じます
なので細部に至る細かなセットやCGの至る所に説得力があり、物語を邪魔しない装置にきちんとなっているところが山崎貴らしさ、なのかもしれません

CGのクオリティや戦後のセットの凄さ、演出、かなり精神が張り巡らされてるのを感じました、日本映画の今が見れてすごく満足です

普通に映画を楽しむ分ならかなり十分の出来だと思います
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