あんじょーら

ゴジラ-1.0のあんじょーらのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
1.6
山崎貴監督     東宝     オデヲン




2023年公開映画の35本目/今年84本目  36/100 を目指しています。


2023年公開映画を少しでも消化しておこうと思い、足を運びましたが、客層からして個人的には合わないのであろうな、というのが分かります。


基本的にヒットしている作品だから評価が高い、という事にはならないと思いますし、好みの問題もあると思います。


それにゴジラ映画作品で、正直に言えば、初代のゴジラ、シン・ゴジラ以外はまぁお子様向けコンテンツとなっていたと思います、観てない作品もたくさんありますけれど。


今回初代ゴジラよりも前にゴジラが現れる、という点が、新しい。


山崎監督作品、私は観た事が無いです。と思ったら、スタンドバイミードラえもんは観てました・・・この作品からすると、お涙頂戴なウェットな作品なのかな?という印象です。


先の大戦末期、特攻の一員である敷島(神木隆之介)が大戸島に飛行機の故障を理由に着陸して・・・というのが冒頭です。


結論からすると、全然肌に合わなかったです・・・


この作品は、強いてあげれば、シン・ゴジラと対をなすように、意識して作られているようにも感じます。けれど、あまりに主人公敷島にすべてが収斂している、敷島にとって、都合が良い展開しか起こらない、というのが個人的に肌に合わないんだと思います。


物凄く強引にまとめると、シン・ゴジラは虚構対現実を描いた作品であるのに対して、1個人にすべてを集約させる為の飛躍、ご都合、お涙頂戴、にしたのが本作。お涙頂戴が多すぎて、引きました・・・


それと、ノスタルジー、昭和の初期にノスタルジーを感じられるのって、今の世代で言うとかなりの高齢者(ちなみに80歳の人でも先の大戦末期は2歳・・・)でないと難しいと思うのですが、でも、まぁ、浸れる人には心地よい、というか敷島に自分を重ねられる人は、心地よい作りになっていると思います。そう言う意味で古い作りの作品とも言える。


CGは綺麗ですし、ゴジラのギミックは面白かったです。それと異常にゴジラに近づけるのも、特徴。


終戦じゃなく敗戦だと思うし、サンフランシスコ講和条約に署名している事を認識したくない人に、心地よいんだと思います。


敷島を演じた神木隆之介さんの演技は、大変頑張っているし、この人の年齢(現在30歳?)であればオカシクナイ配役なんですけれど、凄く幼くも見えます。でも、頑張ってる。


その敷島を立てる役(というか敷島以外は全員、敷島を立てる役・・・ゴジラでさえ・・・)の佐々木龍之介さんや吉岡秀隆さんの演技が、敷島を立てる為だけに調整されているので、結構コミカルというか現実離れしているのですが、これも敷島を立てる為なので、監督の意向だと思いますし、この演技をOKしているのは監督なので、ヒロイックに敷島を見せる為、だけの映画になっているわけです。


あ、それと、SW episodeⅨ を彷彿とするとあるシーンがあるのですが、現実にあんなことしたら大変だと思う・・・


そう言う意味で言うと、女子にハーレクインロマンスが必要なように、男子にハードボイルドが必要。というロジックで作り上げられているので、そういうのが心地よい人にはヒットするでしょう。


個人的にはシン・ゴジラの方が面白いのは間違いない。特にドラマパート。とにかく言葉で全部説明してくれます、所謂橋田寿賀子メソッドです、そう朝ドラです。


ゴジラの造形ですが、凄く、キングコングみたい・・・筋肉質でなんかもりもりです。それに、ゴジラザウルスって呼びたくなる、ある種のオマージュって言うかパクリっていうか・・・


あと、伊福部さんの音楽の強さと言いますか、いい所は伊福部さんが全部持ってった感じです。


ヒロイックな映画が好みの方で、お涙頂戴に違和感のない人に、オススメ致します。


あ、あと、ー1.0って事は、多分、ー100とかやろうと思えばやれるんでしょうね。