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ゴジラ-1.0のjunjuoneのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.8
段々と、戦争時を描く日本映画が少なくなっているような気がするのは、実際そんなことないのだろうが、自分が歳をとって一丁前に戦争教育への心配をしだしたのかな。。


機雷狩りのクルーたちのやりとり、戦争がもう少し長く続けば良かったな、というとっさの一言も、戦争に行く年齢になる直前に戦争が終わった世代には、実際に人生でずっと引っかかるモヤモヤなんだろうな。

あの辺のやりとり、時代を切り取る説明臭くないセリフ、久々に映画観てるって感じがして面白かったな。

悲惨な戦後にまた現れた荒唐無稽な厄災に対して苦しんで対峙するというより、人間らしい日常も垣間見せながら、アイデアを持って諦めずに戦うという、映画的カタルシスとしてはとても率直に訴えかけてきて、楽しめた。


僕らが通常受ける戦争教育、それはほとんど被害の歴史だが、広島、長崎、東京大空襲が一番大きなところだろう。

実際は北海道から沖縄まで、特に終戦の年には無数の都市で無数の爆撃が行われたことを考えると、映画で描かれているゴジラの来襲は、ビジュアル的には戦争以上の厄災かもしれないが、特攻で確実に死ぬ戦争よりはまし、銀座が消し飛ぶくらいで済んでる敵ならば、という捉え方も、あれだけ絶望的なゴジラの破壊力を巧みに映像表現したから得られる戦争そのものの恐怖への想像をも促す説得力があった。

銀座どころか国会議事堂方面まで熱線で焼け野原になってる感じだったが。。
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