作品として素晴らしいと思って良いのか…?というか思いたくない…。
ゴジラに立ち向かう人々のいきいきとした表情を映像だけでなくセリフでも強調する、「ようやく(命懸けでも)役に立てることが嬉しい」という感情を「美しい」と捉えることに違和感があった。山田裕貴くんの登場シーンもしかり。だけれども、これこそ当時の美学であり、「みんなのために」精神より「自分のために」精神がもてはやされる時代に今生きていることを再認識した。民間人の集まりであれだけの動きができるのは戦後ならではだと思うし、国として一つ大きな感情を抱いているという状況の持つパワー、逆にいうと全くそういうものがない今の脆さを感じた。(その脆さと平和は本来関係ないと思いたい。)その点がシンゴジラとの違いかなとも。
ゴジラのテーマが流れるシーンはもう本当にこれこそ映画体験と思えるくらい良かった!このテーマが流れた瞬間に、これまでのおきまりの展開に対するモヤっとした感情が吹き飛んで、ゴジラというテーマを持ってきている意義にフォーカスできたような気がする。
安藤サクラさんは出ている全シーンが良い。佐々木蔵之介さんのお芝居はやっぱり好き。浜辺美波さんはヒロイン力が高すぎ。これといい仮面ライダーといい…。