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ゴジラ-1.0のseiichiのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.2
【死ぬことで残す未来 "受け継がれる意思"と "受け継がれる命"】

ゴジラ70周年記念作品。
架空の怪獣がなぜこれほどまで日本で人気を博し、今もなお作品が作られ続けているのか。そのモチーフや原型はどこから来たのか。そんな疑問を持ちながら鑑賞した。

怪獣や侵略ものの映画は結末がある程度予測出来るので、個人的には面白みを感じずあまり見ることはなかったけれど、本作は明確にメッセージ性が強くあり、とても見応えがあるものだった。

「定番のシナリオ」との批評も多いが、それ以上に大切なテーマである様に感じる。

舞台は戦後の日本(ゼロ地点)。
なぜこの時代設定にしたんだろうか。

そして、時代設定とはチグハグの背中の電気が走り、放たれる放射光線という設定をなぜ盛り込んだのか。

本作を見れば明確になるが
ゴジラという存在は、アメリカへの比喩なのではないだろうか。

奇襲の恐怖。鳴り響くサイレン。空襲による残骸。放射光線によるキノコ雲。。

1954年に制作された初代ゴジラの制作時期を見ても辻褄が合う。

凄いのは、そんなアメリカの映画シーンで賞を受賞している点。

比喩や皮肉表現を超えて、脚本家や監督、制作チームの挑戦した結果が成就したものではないだろうか。

現在、受賞に対する非難の声もあるのもそのためだろうか。

本番アメリカの人達はこの映画を観て何を感じただろうか。
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