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ドクター・モローの島のJeffreyのレビュー・感想・評価

ドクター・モローの島(1977年製作の映画)
2.5
「ドクター・モローの島」

本作はジョン・テンプル=スミスとスキップ・ステロフが製作したH・G・ウェルズの古典SFをAIPが設立以来最大の巨費で映画化(「獣人島」のリメイクにもあたる)したもので、キングレコードから国内初のBD傘で購入して久々に鑑賞したがよかった。ドン・テイラーが1977年に監督した米国映画で、種類によってはバッドエンドとハッピーエンドに分かれている映画であり、ソフトによっては異なる作品である。今回のソフトは日本語吹き替えが収録されており、特典映像もある。

さて物語は1911年。太平洋上で嵐のため沈没した船から1人救命ボートで脱出した青年アンドリューは、数日の漂流の末、ある孤島にたどり着いた。島をさまよううちに落とし穴に落下して気を失ったアンドリューは、気がつくとドクターモローの屋敷にいた。モローはこの島で生物の遺伝に関系する染色体を研究していることを話し、密林と研究室には近づくなとアンドリューに警告する。ある日、密林で獣のような姿をしている生物を目撃した彼はモローの研究に不審を抱き、研究室に忍び込むが、そこで戦慄の真相を知ることとなる…と簡単に説明するとこんな感じで、ラスト3分、心臓よ止まれと言う具合に、この島で見たことを、決して離してはならないと言うSF映画の頂点に放つウェルズ永遠の傑作として語り継がれている作品である。

制作会社のアメリカン・インターナショナル・ピクチャーズが創立以来最大の金を投じた映画でも知られており、SFとしての卓抜きなアイディアに加え、サスペンス、アクション、スペクタクルをふんだんに盛り込み、77年アメリカで大ヒット、大人から子供まで誰もが楽しめる内容も高く評価された。マットサイエンティストのドクター役に名優バート・ランカスターのほか、マイケル・ヨーク、バーバラ・カレラなどが出演していて、原作の文明批評的視点を忠実に汲み取った、本格的SF映画の大作である。クライマックスの家が炎上するシーンは迫力がある。
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