製作陣、ファンともに勝利が約束された傑作。
唯一の懸念材料としては黒の組織を知らない人にはわからない部分もあるだろうってことくらい。それでもアイデアに富んだアクションやキャラの丁寧な心情の描写で十分に楽しめるでしょう。
まず、無駄なシーンがひとつもなく速すぎず遅すぎないテンポでするすると物語が進んでゆく。ミステリー要素があるお話はどうしても説明が多くなってしまいダレるシーンがあるものだが、音楽や見せ方、合間に挿入される子どもたちや八丈島の観光スポットなど緩急の付け方が上手く飽きさせない。
登場人物は多いけどそれぞれが適切な活躍をし、「これってどういうこと？」ってなるシーンが少ない。登場人物達の行動に全て一貫性があり納得出来るのは、脚本と監督がキャラを深く理解しコナンという作品に敬意を持って挑んでるからだと思います。
きちんと泣かせるところで泣かせ、笑わせるところでクスッとさせ、熱くなるところはこれでもかと盛り上げる。プロの仕事を超えた神がかったセンスです。毎年公開される劇場版の最新作でここまで完璧な一作を作り上げるところにコナンというコンテンツの底知れぬ可能性を見ました。
最高の作品をありがとうございますと何百回でも言いたい。
