Crookshanks

怪物のCrookshanksのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

エンドロール
ピアノが流れていた
きれいな音だった
「きれい」という言葉がぴったりな音だった
なんだか作り物めいていた
その違和感は恐怖を運んできた
指先すら動かせなくなる
雨粒がキラキラと光っていた
2人の笑い声だけがいつまでも響く

かいぶつだーれだっ

いたいけな声
草むらをかき分けて疾る
疾る はしる
その先に何があるのか
線路だ もう使われなくなって錆びた線路
置き捨てられた単行車両
土星
呼び鈴
お前の脳は豚の脳
ベビースターラーメン
ぼくは星川依里くんですか?
突き飛ばした細い肩
服の下の青痣
うなり笛
元猫
ここから何を導き出せる?
切り取られた画面は何の証明になる
意図しない悪意の連鎖はどうやって断ち切る

かいぶつだーれだっ

喉の奥には何かが詰まったまま
涙は気配だけを残してスルリと去った
この異物を理解したい
でも 理解してはいけない
理解した気になるのがいちばん悪い
なら ぼくたちはみんな怪物だ

かいぶつだーれだっ



映画鑑賞直後に思ったことをそのまま書きました
Crookshanks

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