コントラストがすごかった。
大人と子供
正義と悪
闇と光
表面と深層
最初は夜の描写とか多くて、最後になるにつれて光の描写が増え
最初は大人目線で、後々そうではなくて
何が正義で何が悪か
学校、家 みたいな目に見えてるものと、森、廃墟みたいな奥にあるものと
一つの出来事を多角的に描いているものの、相反する要素を入れることで観客がわかりやすく解釈できる。おもろい。引き込まれる。
安藤サクラも瑛太も上手いんだけど、なんてったって子役2人が存在感爆裂
是枝裕和、子役の発掘のし方うますぎるな〜万引き家族のときも海よりもまだ深くの時も感じたけど
大事なパートを子役2人に任せるなんて、普通考えたらすごい博打だけど、この2人がやってのけて見事に芸術に昇華できてる
特に最後の描写、とっても好きでした。照明、撮影やばくね？あと坂本龍一の最後の音楽、あれだけで涙が出た
▼以下ネタバレ▼
結局のところみんな怪物なのかもしれない。
子供に有るべき論を知らず知らずに押し付ける母親（作中角田も「モンスター」って言ってるのがおもしろかった）
表面にあるものしか信じず、いじめっ子に仕立て上げた担任
虐待を受け、行動がおかしくなった友達
その虐待をしている父親
いじめを見て見ぬふりをする子ども
自分が轢き殺したことを他責にする祖母
彼氏が世間から叩かれた瞬間に去る彼女
女っぽいってだけでいじめるクラスメイト
噂だけでレッテルを貼る母親たち
真実を突き止めようともしない教師たち
不倫相手との旅行中に事故で亡くなった父親
最後の描写といい音楽といい、「再生」って言葉が近いなと思った。怪物ってテーマの映画を、最後には子供の無垢さで締めるのもある意味怪物…
総じて芸術でした。いいもん観たわーって久しぶりに思った。
