さ

怪物のさのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.6
レビューが微妙だったのでなるべく期待しすぎないようにと思って鑑賞したけど、期待以上でした...やはり最強タッグだ今年一面白かった。

世間を賑わす大きな事件が起こり、登場人物(母、教師、息子)それぞれの視点で切り替わりながら物語は進んでいく。そして事の発端は息子のついた嘘だったことを知る。人それぞれの思い、希望、ものの捉え方などの違いで、意図せず加害者にも被害者にもなり得るというメッセージが込められているように感じた。

何より、私自身も映画の中で誰が怪物なのかを疑い、それによって誤った解釈をしてしまっていたことを知る。
母の視点では保利を、保利の視点では湊を。特に猫が死んでしまったと女の子が言うシーンでは湊が猫を殺したと受け取ってしまったが、保利と同じく湊がいじめの加害者だと疑ってしまっていた故にフィルターがかかり間違った解釈をしてしまっていたことを思い知る。
物語の構成ではあるものの、自分の視野の狭さを感じ、それを感じさせるこの映画に脱帽。自分自身がどんどん怪物にされていく感覚...すごい

台風が去ったあとに野原を駆け抜けるシーンが美しかったな
さ