おこめ

怪物のおこめのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.1
・見た直後は4.5くらいの気分だった。

・最後の映像があまりにも美しくて、希望も哀しみも感じる素晴らしいものだったけど、
物語の主題を考えるとあれで終わらせていいのかっていう疑問が残っちゃった。

ストーリーを進めてほしいとか、もっと真相を知りたいとかそういう意味じゃなくて、ただの美しい映画的な余白のある映像で終わってしまったことがなんか消化不良。
あれ以上のオチは誰も思いつかないだろうから正解なんだろうけど、もう一歩先の提案を見たかった。

・誰に感情移入すればよいのかわからなくなるのがこの作品の良さだと思うけど、
子どもたちがメインになってからも「答え合わせ」の脳みそになっちゃって、うまく感情が乗らなかった。
ラスト近くは乗ってきた。でも、一緒に走っているってより、走ってるのを見てる感じ。
それは狙いだと思うからダメって意味じゃなくて。

・最初の方は、是枝監督じゃなくても撮れそうだなぁとかアホなこと考えてたけど、
やっぱりインサートや、アドリブっぽいカットの自然だけど計算し尽くされている感は是枝監督だった。

子どもがメインになってからは是枝監督の独壇場。
でもやっぱり、是枝監督の脚本監督作品を見たいな。

・どんだけ気をつけて車を駐車しようとしても死角は見えない。ふとしたことで事故起きちゃう。

・羅生門っていうより是枝(坂本裕二)版カメラを止めるなって感じがした。
違う視点になったときに判明するんだろうなぁっていう伏線が自分にはノイズだった。

・ミステリー好きな人は好きだと思う。是枝監督の中ではダントツエンタメ。揶揄じゃなくていい意味で。

・序盤の時間の進み方は是枝監督のテンポじゃなかった。やっぱ監督独自のテンポあるんだなぁと再認識。

・いじめ方やネグレクト親の描き方がアイコンっぽかったというか、昔のドラマ見てるみたいで萎えた。是枝監督の作品でこれ感じると思わなかった。

・先生かわいそうすぎだろ

・最後、天気は一致しないしあったはずの柵も無い。あれが現実か想像か死後かわかんないけど、彼らにとっての幸せを見れてよかった。
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