怪物の1303のレビュー・感想・評価

断片的に積み上がるシーンを眺めながら、初めはバイアスを利用した示唆的な演出なのかなと思って観ていると次の瞬間、視点が切替ることで別の誰かによる明白な嘘の存在に気が付くという構造が興味深いです。
次第に円の中心に浮かび上がる何か。怪物、化物、モンスター .. 様々な呼称で吐き捨てられる得体の知れないそれは、この街にぐるりと囲まれた湖のように深遠で美しくきらきらしています。
人は永遠にひとつの真実も知り得ないという残酷な真理とそれを知ることで変わる世界に期待した作品だと感じました。