kaho

怪物のkahoのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

雨の中電車の窓の泥を掻き分けるシーンはすごかった!

視点が切り替わるにつれて怪物が逃げている様に感じる。怪物は誰なのか。そう思った瞬間に私たちは自分自身の中の怪物を認めている。変わるのは私たちが観ている対象であり、その対象が変わっても怪物がいることを認めるなら、それは不動である観者としての私たちそれぞれであることを認めるしかないだろう。

<自己の秘密>

麦野はその秘密を守るために嘘をつき自己否定する。しかし嘘をつくが故に、その秘密が本物であることが浮き彫りになってくる。
対して、周りは独我論に陥り、他者の否定から始まる。
麦野を中心として歯車が噛み合わない。
最後、麦野は自己の秘密、怪物を受け入れる(自己肯定)と同時に周りの人も他者を肯定し歯車が噛み合う。
出発の音が聞こえ、自己の秘密を星川と共有し新しく生まれ変わる。

音楽は坂本さんの特に好きな曲が入ってて最高でした...
kaho

kaho