ぱむはむぷひん

怪物のぱむはむぷひんのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.3
3回鑑賞。やっぱりこの作品みて思うのは、是枝監督は子供を映すのがうますぎるということ。子供の視点で、ではなく、子供になって描写してる。子供の時の感覚って大人になるにつれて忘れていくものなのに、彼は絶対に忘れてない。でも、1つ言うなら、土砂崩れで横転した"電車の中で"2人が死んだっていうのは納得いかなかった。もちろん、序盤でお父さんは死んだ時土かけられたの?からエンディングの繋ぎだったのはわかるし、猫が死んで土をかける前に、焼かなきゃ生まれ変われないっていうところで焼き切れなかったことから、2人が土砂崩れで死んだから生まれ変われない、生まれ変わる必要なんてなかった、そう伝えたかったのかもしれないけど、死に方が理想的すぎる。人ってそんなに死にたい場所で死ねるものなんだろうか。ましてや子供。精一杯自分の置かれた環境の中でもがきながら、自分の中の怪物と戦いながら、必死に生きて、報われるのは死に方じゃなかった。
あと友人に、教師はなぜ自殺しなかったのかと聞かれたけど、教師が死んだところで、作品の中では悲しむ人も喜ぶ人もいないから、正直どっちでも良かったと思う。けれど、2人の死がどうしても薄くなる。教師を死なせないのは、2人の死の意味を薄くしないための最善策だと思う。