ささき

怪物のささきのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

本当によかった。
よかったの分解をすると、転調が分かりやすくて語り手が誰なのか、瑛太演じる堀先生以降の展開の変化が分かりやすく入り込めた。

入り込むのは簡単だけど、視点に応じて全く善悪が違って。結局誰も悪くないという腹立たしさの矛先を向けられない苦しさを観る人に突きつける。私は怪物とはつまり映画の視聴者(関係ない第三者)だと思った。

あと、小学生の男の子が向き合う性愛の難しさ。「正しくない」から苦しいし誰にも言えないし隠し続けないといけない辛さ。
簡単に文字に起こせないけど、小5で向き合うには辛い「世の中の空気」「いわゆる普通」が突きつける苦しみが、見ていて辛かった。

1番刺さったシーンは、音楽室で校長とミナトがホルンとトロンボーンを吹くシーン。「誰かしか手に入れられない幸せは幸せじゃない。誰にでも手に入れられるものが幸せ」この言葉がこの映画の救いだと思った。
ささき

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