怪物のぴあのちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

最後のシーンの煌めきがとても好きだった。2人の思いが解放された瞬間にそれまで不穏な雰囲気のあった画面が一変して輝き、生き生きと呼吸して2人の体温をやっと感じれるような世界に、それが現実なのかはたまたその先の世界なのかは置いといてやっと2人が生き始めたのが伝わってきてこちらも解放された気持ちになって泣きそうになった。
この映画では親と子の関係、先生と生徒で主に視点のズレが表現されるけれど、普段の生活でも相手のことが大切になればなるほど相手の気持ちを尊重しすぎて何も聞けなくなると言う事はよくある。何も聞けなくなるとやはり想像するしかない訳で、そうなった時に大抵は後から本人に聞いたりして「そういう事だったのか」でふわっと穏やかに解決されていくんだけど、大きなズレが起きていた場合には自分が無意識のうちに相手の心を裏切ってたり傷つけてしまうことになる。私は最近、この相手を思うがゆえの想像の怖さをよく感じていて、想像は事実じゃないと言うことを忘れてしまわないように気をつけたいと思っていた。ふとした疑問を想像で埋めてそれが勘違いになるよりは、怖くても本人に聞く、それが相手を本当に尊重すると言う事なんだ、想像はひとりよがりだよって自分に言い聞かせてたここ最近の私にとって、時々見返したい映画となった。