このレビューはネタバレを含みます
この布陣で重くないわけがないので
観るためには相当な覚悟を要した。
そして想定以上に苦しくて苦しくて
しばらく立ち上がることができず。
「告白」を初めて観た後と同じ感じ。
と思ったら川村元気さんの名前をエンドロールで見つけた。
私は母親という立場的にどうしても、安藤サクラ寄りの視点で捉えてしまう。
子供の身に何が起きているのか分からない、学校側にのらりくらりかわされる、
そんな状況は怖くて仕方ない。
真実が知りたいし、子供を守るためなら弁護士くらい余裕で雇うだろう。
学校側から見たら、モンペになるのかな。
(私ならまず担任と話するけどな)
安藤サクラに「先生に追いかけられて階段から落ちたんだよー」と教えた少年。
母親の立場なら
「この少年は隠蔽体質の教師の代わりに真実を告げてくれた正直な子」だって思う。
が、教室ではめちゃくちゃいじめの主犯格だし、あの事態をむしろ楽しんでたノリだったんだなというのが後から分かる。
同じように保護者目線でなんだこいつ?と思った担任は
凶悪な教師ではない、けど誤植を見つけると喜びを感じる趣味があるあたり
人の間違いを指摘するのが好きなのかもしれない。
(星川君はおそらくLDなんだと思うけど
鏡文字になってる文字をいちいち指摘するのはやめてあげてほしい、、
けどそのおかげで気付いたこともあったので今回に関しては結果オーライ…?)
せっせと掃除をし学校への奉仕心溢れる(ように見えた)校長は
スーパーで走る子供をわざと転ばせる
(彼女なりの指導なのかもしれないが、真実は分からない)
孫を不慮の事故で亡くして可哀想、だがその孫の写真を敢えて保護者からよく見える場所に飾る姑息さがある。
そんな感じで
ある物事を見た人が受け取った情報と、
実態には乖離がある 的な描写が
いくつもある。
あの子たちが遊んでた怪物ゲームも
若干そのあたりを示唆していた気がする。
その人がどんな人かって
結局自分が知り得た情報でしか、表現できないけど、そもそもその情報が真実なのかも疑わしい。
ナマケモノが敵に遭遇したら本当に全身の力を抜くのかわからないし(ググったらこれはどうやら真実だった)
ホリセンは本当にガールズバーに行ってたのかわからないし
チャッカマンを持ってたあの子が火をつけたのかも分からない。
子供達のマイノリティな性質も物語の苦しさを更に助長していた。
誰か1人でいいから、理解者がいてくれたら…。
ラストシーンの解釈は
見事にこちら側に委ねられていたけども
彼らがそのまんま明るい空の下で笑える世界で生きてほしいよ…生まれ変わらないで。
現時点で2つ読み取れなかったことがあるんだけど
・星川君がホリセンが不利になるような証言したのはなぜ?(安藤サクラに何か吹き込まれた?)
・ミナト君の作文には何書いてあったんだろう?