もう一度見たくなる。伏線回収とかそんな浅はかなことではなく、もう一度じっくり考えたいから。
怪物は誰、というわけではなく本人が置かれる立場次第で相手が怪物に見えるんだなぁと...なんてリアルなんだ。自分の考えと真逆の意見を持つ人が怪物に見える、そんな風に思えた。
純粋無垢な子供にとって価値観の押し付けは重罪。子供を思う大人の優しさが、子供にとって重りになっていたように感じる。
「ナマケモノは敵に襲撃されると全身の力を抜いて諦める。抵抗すると逆に痛いから」「君のこと？」という会話が恐ろしい。小学生なのに、大人びている。大人すぎる。本性を隠して親の望む通りの良い人間であろうとする星川くんの心の傷が垣間見れる。恐ろしい。
また「シングルマザーの子供は欠陥がある」というような文言に対して、否定的な脚本。親が1人なのか2人なのかは全く関係がなく、親自体の性格次第。
万引き家族では親と子の在り方を安藤サクラの長台詞&顔だけが映る画角で強めに表現されていたが、今回はそういった演出がないので余計に見る人を選ぶ内容。すき。
映像美と坂本龍一さんの音楽が、2人の尊い時間をより際立たせていた...余韻が消えません。
