餡珈琲

怪物の餡珈琲のネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後まで引き込まれる作品だった…。
題名の通り「怪物」が誰なんだろうと思いながらみてたけど、この人だって思った人が作品が進むにつれてどんどん変化していって、本当の意味での怪物は誰だったんだろうと考えさせられた。だから、二人の「怪物だーれだ」ってセリフを思い出した時、そういう事かってめっちゃ鳥肌たった。
ひとつの視点だけでは知らなかった事柄が入り組んで、結局本当は誰も悪く無かったし、本当に悪いのは社会に取り憑かれた大人(と虐待する大人)。

怪物を当てるゲームで、ナマケモノの札をみた星川くんが「そいつは凄技を持ってるよ。何があっても動じない。なにも感じないように出来る」みたいなこと言ってて、麦野くんがそれに対して「僕は星川くん?」って言ってたのが印象的だった。
子供は子供のようで心は大人より大人なのかなと思った。

お母さんと先生が2人を探しに行った時、バスの窓にかかった泥を手で一生懸命かきわけるんだけど、何度かいても泥が覆いかぶさって光が遮られる。その後にポツポツと虚しく光が点滅する感じが、光(希望)は見えているのにどんなに足掻いても届かない感じ、ただそこに光が見えているだけで自分には届きもしないという感じがした。

あとは土砂崩れの音がして、「出発の合図がする」って言ってたのも、死に向かう=生まれ変わる=再出発なのかなって思った。
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