NJ

怪物のNJのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

観終わった最初の感想は「誰も知らないとか万引き家族系かと思ったらグザヴィエ・ドラン系だな」というものだった。
安藤サクラの職業がクリーニング屋というところで「またかよ」と思ったけど、「あえて」だったんですね。
タイトルやキャッチコピーの「怪物だーれだ」から、真犯人的な個人がいるかと思わせるトリックも凄い。
安藤サクラの視点、瑛太の視点までは真実が見えてこないのも緻密でみごと。少年の視点でやっと事実が立体的に浮かび上がってきた。
雰囲気は誰も知らないがダントツ好きだけど、完成度は是枝監督の映画で一番だと思う。

2023.7.13
是枝監督のお話を直接お伺いする機会があったので、聞き取ったことを補記します。
・「夢の中で電車に乗って、どこか知らないところへ行く」という幻想的なラストシーンも別の候補としてあった。
・是枝監督にとって「怪物」とは「被害と加害の関係が簡単に逆転する人間関係の本質」。
・少年2人の演技指導について、柊木くんはほとんど何も聞いてこなかった。一方で黒川くんは「気持ちってなんですか」「役作りってなんですか」という根本的なことから聞いてきた。是枝監督は、「感情の身体化」についてアドバイスをした。その象徴的なシーンは「音楽室で星川くんに頭を撫でられ、手の中ででベビースターを握り潰す」。
・是枝監督的に、是枝監督の過去作の中で本作に近いのは「誰も知らない」
NJ

NJ