ぷりん

怪物のぷりんのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.7
高いお金を払って何でこんなに苦痛な126分を過ごさないといけないのかと思った。よく分かんなかったし、怪物たーれだって予告はある種詐欺だろとも。劇場だから最後まで見たけど、家で配信で見てたらお母さんの視点の時点で見るのやめてただろうな。
けど、劇場から出て改めて咀嚼すると何となく分かってきたような気もして、もう一回見たいというのが今の率直な気持ち。
予告のせいもあって勝手に開始から怪物探しをしていたし、怪物が見つかって全て浄化されるのかとも思ったけど、そもそも怪物はいない。いないわけじゃないけど、お母さんにとっては保利先生が怪物だし、そのお母さんも子どもから見たら怪物に他ならない。みんな怪物でみんな怪物じゃないって事なんだと思う。
「組体操、男なんだから頑張れ」「お父さんみたく男らしくあれ」こういう無意識なジェンダー感というか、有害な男性性というか、これの押し付け、挙げ句の果てにそれを豚の脳みそって怪物そのものだよね。

校長はお母さんから見たら怪物すぎるほどの怪物だけど、きっと2人の関係をわかっててあの行動をとったんじゃないかな。「言えないことはふーって吹けばいい」この言葉に全部詰まってる。けど、学校としてあの対応はないわな。冤罪を防ぐためじゃなく面白おかしく直当たりするメディアも怪物。

きっときっと見逃してる細かいところたくさんあるからもう一回見たいけど、もう一回見る気力はないな。小説でじっくり読みたいタイプの作品でした。結局よく分かんなかった。
けど、最後は生まれ変わったというか、住んでる世界が変わったというか、2人で楽しく過ごせる場所に行けたんじゃないのかなって思いました。

あと、男の大丈夫と女のまた今度は信用ならんって言われた相手にまた今度って言われて振られるのはかなりしんどいな。
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