監督が是枝さんで脚本が坂本裕二、主演安藤さくらという見逃す訳にはいかない作品。映画館に行きたかったがタイミングが作れず、配信を待っていた。U-NEXTでみっけたので即ポチ。
期待以上の傑作だった。今年のNo. 1。
坂本裕二は物語に階層を作るのが見事だなと思った。花束みたいな恋をしたの時と同じように、本筋だけでも充分面白いのに、その裏に隠されたテーマや比喩表現が散りばめられている。考察のしがいがある作品が多く、2度3度楽しめる印象。
アートワークも素晴らしいと感じた。生き生きした緑や見晴らしの良い場所で謎の遊具に登ったシーンなどが印象的。
構図の妙というか目を離せない絵が常にある。
緊迫して席を外せない2時間だった。ずっと前のめりになってしまう作品は滅多にない。RRR以来な感じ。
騙し絵を見ているかの様な不思議で不気味な作品。
人は本当に複雑で、表の顔裏の顔だけの単純な話ではなく、思考や思惑や混沌の中にいるものなのだと思い知らされた。
何故か子供を無性に抱きしめたくなった。
前半はただいじめられっこを守る愛ある親と変な教師たちという見え方だったが後半は印象がガラリと変わる。
人は多面的で一つの角度からだけで判断するのは危険すぎる。
毎年観て味の違いを楽しめる作品でもあると思う。
素晴らしい！
