すみ

ミステリと言う勿れのすみのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

安定の面白さ。
キャスト全員演技派でどっぷり物語に浸かることができた。

一族の悲しい歴史としきたり。
富と栄華を手にしても、怯えながら生き続けることはまさに生き地獄だっただろう。
狩集一族に関わらず、狭いコミュニティの中では時として罪が使命になり生きがいになり栄光になる。判断基準そのものを狂わせてしまうような、強力な力がある。
朝晴だって、セメントに形がついたまま大人になってしまった一人であることを忘れてはいけない。その形が彼の正義を作ってしまった要因の一つなんだと思う。

シークレットゲストが豪華。
加害者側が長年苦しめられ続ける一方、被害者側は赦し(赦したのか怖くてできなかったのかは謎だが)平穏に暮らしている.....この構図が何とも皮肉で、しかしこれこそが罪を背負う人間の業なのだと思った。
後ろめたいことは、行なった瞬間に生涯それに囚われる。
だからこそ、罪を憎んで人を憎まず、ができるのは自分自身にとってもいいことなんだろうな。赦せる人間とそうではない人間の違いは何だろう、などを考えてしまった。
終盤の汐路パパの「幸せになれるからね」は、ただ純粋な愛情が伝わってきてぼろぼろ泣いてしまったな。

水を差すようなポイントだけど、天パの人間を殺すタイミングだけが謎でそれだけ腑に落ちなかった。「ばれてはならない」ことが昔から根付いてる目的なら幼少期のうちに殺してしまうのが早いのでは?と。その代の子供全員が天パなら跡取りが必要だから孫世代を産むまで生かしておくのもわかるけど、直毛の兄弟もいるならなぜ?親になるくらいの年齢まで生かしておくのは何の理由があるんだろうか?
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