KanoーseiKo

明けまして、おめでたい人のKanoーseiKoのレビュー・感想・評価

明けまして、おめでたい人(2022年製作の映画)
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「山岸は正しい」と
私は絶対に、絶対に言うから本気で


誰かにただ「君は正しい」と言ってほしくて、自分がそう言ってほしいから周りの大好きな人たちにもそう伝えたりしていて、だって本気で君は正しいってそう思うし。でもそう伝えれば伝えるほど離れていったりするし、しまいには自分がそう伝えるのは「あなたも正しいよ」と言ってほしいからなのでは?とか思ったりして。

誰かを思えば思うほど孤独になる。
自分は取るに足りない人間なんじゃないかと思う。
「大勢」には入り込めるけど、「たったひとり」にはエントリーできない?
え?もしかしてこの先ずっとそうなの?というやり場のない不安。

それぞれの孤独の中で、本当に精一杯にその瞬間をもがく様が、本当に切実で、美しくて、なんだろう…
自分は自分だけに巻き起こっているこのやるせなさを、他人にとってはとるにたらないこの苦しみを、
ただ愛でてやっていいんだなと思った。
ありがとう。
明けまして、おめでたい人。


〜超・余談〜
この帰りに家に帰れなくて、近くの公園で1人お酒を飲んでいた。
そしたら白Tにハーフパンツ、黒リュック背負った男性がどこからともなくやってきて、「黒いシャツ着た女性みてませんか?」と聞いてきた。見てないというと、Tinderで約束していた女性だそう。
そこから明け透けに要は今からヤリませんか?というような話をされ、私はナンパをされるようなタイプじゃないので初めての経験で面白くて30分くらい会話をした。
私はいわゆるモテない人生だったので、こんなあからさまにオンナとして認識されたことがなく、なんだかありがたいなあ申し訳ないなあと思ったりもしたけれど、
すごく、なんかもう…悲しくなってきた。
奔放さ=魅力、というマッチョ思考が本当に怖い。私はそうじゃないから。否定されてる気持ちになる。でもそんなだから、ここまでヒトリなんだろうかとか嘆いたりもいっちょ前にしている。
私は私のことを大事に思いたい、でも他者を自分の中に招き入れる覚悟が欠如している気もする。
そうして今日も、何の事件もなく帰宅して今眠ろうとしている。
でも私は言うぞ、私は言うんだぞ!私はこれでいいんだと!!!
うおーーーーーーーーー!白Tマッチョに負けない。
KanoーseiKo

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