このレビューはネタバレを含みます
馬鹿ほどあたたかい話で、浄化作用あった。心が綺麗になった気する。健全デートのあの純粋な美しい恋愛の形に随分触れていなくてすごく泣きそうだった。結果ラストらへんずっと泣いてた。
確かにご都合主義展開でまるまるハッピーエンドだし色々思う設定はあったけどピクサー作品にはそれを求めていないしそれ以上の暖かさを感じたので良かった。完全フィクション浄化映画なので現実主義の気持ちは捨てた方が楽しめる。心疲れてる時の癒しの気持ちで見るべき。
なんか最初は気質が違う2人の恋愛話だと思ってたけど多分移民問題とかそういう社会問題が垣間見えて良かった。結局私が今心打たれたのは恋愛模様でしたが。「エレメント」という概念を作ることで色々な違い（気質、国籍など）に当てはめてそれぞれの価値観で見れる。そういうフィクションを提供できるって物事を本質で見てないと作れないよな、ピクサーはやはりすごい。そういう目線を持ちたい。
ピクサー作品なので子供がいて、泣く場面以外真顔で見ていた私と対照的に要所要所聞こえるけらけらとした笑い声に癒された。これ幼少期から観れてるって財産だよ、子供たちへ、大人になってから見返してみてね。
リメンバー・ミー超好きでいつか劇場で観たいんだけど、同じくらい綺麗。これはやっぱり劇場で見る作品だったな、迷ったけど観に行って本当に良かった。水の描き方、流石すぎて大好き。駅の中潜って花咲かせるシーン、あまりにも綺麗でわあーっていいそうになった。
エンドロールであの音響でSuperflyのやさしい気持ちでを聴けただけでも2000円の価値がある。色々思って泣けた。ていうかこの綺麗な気持ちとか空気感から抜け出したくなさすぎて終わってから一生聴いてる、他の曲聴けなくなっちゃった。1人だったからしなかったけど久々エンドロール後拍手したい衝動に駆られた。美しい作品だよ本当に。
なんて綺麗なものしかない世界なんだろう、こう言う世界で生きていきたいんですよ私は、観終わった後の街の汚さに身体がおかしくなりそうです。
私は元彼が性質違うタイプで今の恋（恋？）は同じ性質で悩んでるので、ああ性質が違う方が惹かれ合うよなあとか思ったりした。まあそういう題材だからしょうがないんだけど。健全デートの時とかも違いに惹かれてそれぞれを特別に思えるシーン、うちの父と母を見ているようで、ああ愛って違いから生まれるんだよなあとか思いました。だから健全デートの部分でとても心打たれまくっちゃったんだと思う。性質が一緒、とくにダメな（？）性質が同じ人とは結ばれるべきじゃないのかなとか、それぞれの特別を大切にしてあげられるかわからないとか考えたり。外部要因しか好きじゃないのかな、そんなことないって思ってるんだけどな、最低だよな、もうわからんな。恋愛の形って、違いに惹かれて似てくることに嬉しさを感じるんじゃないかな、もともと似ている気質の人はどうすればいいんですかね？
エンバーの怒りっぽい性質が自分にあまりないという部分を踏まえて主人公への共感は特になかった。どっちかというと水属性でありあの真っ直ぐさとか素直さとか人を巻き込む力を目標に生きているから、エンバーの「周りに助けてもらうことで成長の機会をもらえている」部分に羨ましさみたいな小さな妬みを感じていた。そんな自分の小ささにもガッカリなんですけどね。
素直でいることってとても重要だなって思う。そうなりたい自分とそうなろうとしている反面素直じゃなくて周りに助けてもらおうという人への嫌悪感を今抱えていて困る。多分今の恋愛の悩みって結局ここに起因する。これって私が当たり前に素直になれたら消えてくれる気持ちなのかなあ。
だからこそエンバーに惹かれる気持ちがあまり理解できずにいたり。強さと美しさなのかな、？美しさで人を好きになっていいのかな、？
まあなんか色々考えたんですけど私自身が「誰かに成長要因を与えて欲しいけど与えてもらえないから自分から与えることに妬みをもっている」のではないかと思いました。私が素直で人を巻き込める人が好きでそういう人の部分に惹かれるなら、それを恋愛感情持つ相手に求めず自分で掴み取りにいけばいいのでは？私こそ結局自分にはできないと諦めて人に与えてもらおうとしているな。こういう自分を見れずに相手を否定してしまう部分出来るだけ削ぎ落としていきたい。私は素直さとか周りを巻き込む力とか努力する力とかの素晴らしさは元彼からもうすでに貰ってる力なはずだから、それを自分の中で咲かせるフェーズにいるはず。人に貰おうとせず自分の力で掴み取りたいよ。
涙要因に家族愛もある。父親の娘に向ける親愛の目が、家族が私に向ける目と全く同じでウッとなった。あんなの泣いてしまう。親からの愛を理解できる環境でよかった。とても恵まれている。
私、親に恵まれてるのになんでこんな地獄みたいな性格なんだろうと病んでたことがあります。が、あんな愛に満ちたエンバーの家族の中でも悩みがあり対立がありだったので、ああ親に恵まれているから悩みがないわけではないんだなと当たり前のことに気付けて良かった。それぞれ人間だからすれ違うことあるよね。
違う人間同士が偏見なく交流することで自分にない部分を見つけ尊敬から相互で惹かれていく流れ、本当に忘れてたみたいに美しい流れだったので一生見続けたい。これを根底に持つ人間でいたい。欲から繋がろうとするマッチングアプリやってる私、あまりにも汚い人間では？
アプリの人と会うような休日にしなくてよかった。綺麗になったし綺麗でいたいと思う。
