スギノイチ

おんな牢秘図のスギノイチのレビュー・感想・評価

おんな牢秘図(1970年製作の映画)
2.8
後年の田村正和は、己の若手時代を不遇の時代として語っていた。
それは演技の巧拙についての反省もあろうが、出てる映画がキワモノばかりというのも一因だったのでは?と思う。

孤島に収監された女囚とそれを虐待する役人たち。いわば時代劇×女囚モノ。
ひたすらリンチや拷問の繰り返しだが、それでも同時期の東映”異常性愛路線”に比べるとだいぶ上品。
女囚たちは北島マヤやフジ隊員など色々出ているものの、いまいち誰が主役なのか定まらず、感情移入のしどころがない。
肝心の田村正和といえば、女囚の味方をするどころか役人たちと一緒になって女たちをノリノリで虐待する始末。
「ぬか漬け」にされた女が一番哀れだった。

後半からは牢獄島に黒死病(ペスト)が流行し、役人どもが自分らだけ脱出しようとしたところを女たちの逆襲に遭う…という多少は胸のすく展開に。
なし崩し的に善玉化した田村正和の殺陣など見られるが、いまいち盛り上がらず。
加藤和夫の死に方とか信じられないぐらい下手な編集だったが、この国原俊明という監督はこれしか撮っていないようだ。
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