KENNYBOY

その夜の侍のKENNYBOYのレビュー・感想・評価

その夜の侍(2012年製作の映画)
4.2
「お前を殺して、俺は死ぬ」
「大丈夫だろ、血でてないし」
「平凡って言うのはね、全力で築きあげるものだと思うんですよ」
「また隠れてプリン食べてるんでしょ」
「あいつは人間のクズだ!」
「朝、何も食べていない。昼、何も食べていない。夜、魚民で酒を飲む」
「君は、本当に、なんとなく、生きてるよ。この物語は、最初から君には関係ない話だった」

終始薄暗くて褪せた照明。埃と汗臭い路地から、妻をひき逃げされた男の復讐劇は幕を上げる。
寡黙で誠実な人間と、姑息で薄汚い人間との間で交錯する人々たちは、不細工な間でどこかアンリアルな物語を創造する。不運、そして人の繋がりの可笑しさを炙り出すありそうであり得ないスクリプトと、散らかった部屋と賞味期限切れのプリンのパック。

「こんばんは。
出来ることなら、他愛の無い話がしたい」
KENNYBOY

KENNYBOY