【霧】
※ 公開劇場はこれから順次増えるらしい。
山々から水が供される川の淵に水が尽きることはない。
しかし、霧はいつか消える。
そして、霧が溜まっていた『霧の淵』もいずれ消えるのだ。
シゲ兄(にい)は霧だ。
過疎の村の小さな旅館の小さな家族にフォーカスし、賑やかだった時代を回想したり、ノスタルジックな自然や建物、街並みを背景に、過疎でいずれはこの村は無くなるだろうと考えながらも淡々と、そして、清貧に生きる人々へのオマージュだ。
過疎をベースに何かを批判したりするのではなく、静かに小さな家族を見つめ、きっと、想いが繋がり消えない霧もあるんじゃないかと思わせるような良い余韻の残る作品だと思う。