ワンコさんの映画レビュー・感想・評価

ワンコ

ワンコ

映画(1606)
ドラマ(16)
アニメ(0)

怪物(2023年製作の映画)

5.0

【怪物と希望と、生き抜く逞(たくま)しさと】

陽光も、木々の緑の間から差し込む日差しも、眩しい反射した光も、”生まれ変わった”世界を象徴しているよう。

エンディングの場面、僕は胸が熱くなって泣き
>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.1

【言葉、基本的人権】

ボリビアのキリスト教の一宗派メノナイトが暮らすコミュニティで実際に起こった事件をモチーフに考えられた小説が原作らしい。
メノナイトのコミュニティは、機械や電気を極力使わず、アメ
>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

3.4

【なんか変な感じ】

ずいぶん昔のことになるが、神職の資格を取る際に滝行をやるのだけれども、その時は、真夏というか盛夏というか、とにかく猛暑で、日照りで、その上、更に日本一暑かった地域としてニュースに
>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

5.0

【ヤング・プラトンと平和の壁】

結構深く考えさせられる作品だと思う。

この作品のオリジナル・タイトルは、「ヤング・プラトン」。
そして、繰り広げられるのはソクラテス式問答法だ。


実は、タイトル
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

【心に刻む】

この作品を観て改めて、5月26日公開の作品には良いのが揃っていたななんて考えた。

タイトルの「aftersun」とは、アフターサン・ローションのことだと思う。

僕は、もうずいぶん昔
>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

5.0

【切実だが滑稽】

意表をつかれた。

予想外に面白かった。

僕の父は、骨格のがっしりした人で、もうだいぶ高齢になってからだったけれども、あるとても進行の早いガンで亡くなった。
ただ、骨までスカスカ
>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.8

【進化】

やられた。
予想を超えてきた。

庵野秀明さんが「シン仮面ライダー」を「アベンジャーズ 的アクション」にはしたくなかったといようなことをおっしゃられていたように思うが、この「ウィッチ」シリ
>>続きを読む

はざまに生きる、春(2022年製作の映画)

4.2

【グレーゾーン】

好印象の作品だ。

アスペルガー症候群のアーティスト屋内と、春、さらに、それを取り巻く人々それぞれの”はざま”を対比させながら見つめるストーリーになっている。

先般、テレビのニュ
>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.8

【示唆にとんでるんだけど…】

この原作漫画を初めて読んだ時、これは小説の方が想像力を掻き立てられて良いんじゃないかと思ったことを思い出した。

ルーブルの後押しが、この漫画原作のきっかけだったことを
>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.4

【想像通り】

ロッキーのメインじゃないけど、聴き覚えのある音楽がちょこっと流れますよ。

そこはね、おおおっ!ってなる。

ロッキーじゃんみたいな。

(以下ネタバレ)

お話は、このシリーズには、
>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.4

【時間旅行かと思いきや】

思ったより心臓に悪かった。
僕にはね。

ちょっとナメてた。
こういうの強い人はいると思うけど。

お話は、ちょっと無理矢理感があるけど、短い映画だし、少女のコアの目力と
>>続きを読む

ハマのドン(2023年製作の映画)

3.5

【ハコモノ/大阪は大丈夫か!?】

ヨコハマにかぎって言えば、遅きに失する前に何とかなったのだと思う。

日本でカジノ事業を!なんて大々的に言い出したのは、石原慎太郎だったように思う。

お台場の利用
>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.8

【シンキング・エラー】

5月20日、NHKのNスペ5minで大阪吹田市の学校のイジメを未然に防ぐ取り組みを紹介していた。

基本的には、自分の非を認めないけれども、他人の非は責めるといった根拠を示さ
>>続きを読む

ザ・マザー: 母という名の暗殺者(2023年製作の映画)

3.7

【背景】

同様に母親の子供に対する愛情をテーマにした作品の「デスパレート・ラン」より、こっちの方がイラっとしないし、アクションも満載なせいか飽きさせない構成になっていると思う。

ただ、作品として
>>続きを読む

バンクシー 抗うものたちのアート革命(2020年製作の映画)

3.8

【霊感ホテル】

コロナ禍のなか、バンクシーが一度、確か医療従事者向け支援ということで様々なグッズに自身のグラフィックアートをあしらってオンライン販売をしたことがあった。 ”自身の”と書いたけれども、
>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.6

【眺める映画】

(良い意味でも悪い意味でも)ずっと観てられるような映画だ笑

内容はともかく、兄弟4人とも良い感じで、基本的に悪いやつは登場しない。いるとすれば日出男に指示を出す奴ぐらいだ。

それ
>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

5.0

【Dante. Enchanté.】

疲れた。

身体がところどころ凝っている気がする。

過去のワイスピ作品で印象的だった滑空なんかも含むカーアクションと重なるようなスペクタクルな場面がたくさん
>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.8

【最後まで行く】

韓国オリジナル「最後まで行く」の映画の元々のタイトルは、「A Hard Day」なんだけれども、この作品は、その際の日本語タイトルの「最後まで行く」にこだわった作品だと思う。

>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.8

【ステレオタイプの僕】

韓国オリジナル「最後まで行く(A Hard Day)」は、相変わらずむちゃくちゃな韓国警察ノワールだけれども面白かった。

勝手な僕の認識では、韓国の警察はいつもあんな感じで
>>続きを読む

MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

4.0

【がんばれ兄さん】

現在、男の子供に付ける名前の全米人気ナンバーワンは、リアムなのだそうだ。リーアムのことだ。

リアムには、勇気という意味も含まれているらしい。

今回は殺し屋の役だけれども、
>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.5

【この映画から何を感じますか】

この映画「TAR」の雑誌や新聞メディアの事前の映画評を観ていたら、シンフォニー・オーケストラは閉鎖的な社会だとか、ヘルベルト・フォン・カラヤンやレナード・バーンスタイ
>>続きを読む

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.5

【祖母とのこと】

「ビートルズは再結成するらしいよ」

1980年は、ジョン・レノンが凶弾に倒れた年だ。

その直前くらいまで、そんなことも言われていたのかななんで考えた。

そして、ジョン・レノン
>>続きを読む

フリークスアウト(2021年製作の映画)

4.2

【ファンタスティック4? イタリアンX-MEN?】

途中まで、なんでこの映画がR15指定なんだろうかって考えていた。

その謎は途中で明らかになるのだけれども、イタリア人は、こういう第二次世界大戦や
>>続きを読む

ブラフマーストラ(2022年製作の映画)

3.4

【スクラップアンドビルドは止めにして】

「RRR」に続くか!?なんて期待したけれども……😆

もともと”シヴァ”とはヒンドゥー教の破壊神のことで、キリスト教やイスラム教にある終末論のような感じで、い
>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0

【考えたこと】

最近アメリカの保守色の特に強い共和党員が使っている「反Woke」という言葉を知っているだろうか。wokeは、wakeの過去形で”目覚めた”という意味で使われているのだが、何に目覚めた
>>続きを読む

ライフ・イズ・クライミング!(2023年製作の映画)

4.0

【AMAZING 】

むかし、付き合っていた女性が、Monkey Magikが好きで、僕はあまり聴かないジャンルの音楽だったのだけれども、今やApple Musicのおかげで、たまに気にかけて聴いた
>>続きを読む

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

3.1

【んーーーーー】

銃社会の危うさを問う作品であることは理解するけれども、なんだか伝わってこない……気がするのは……僕だけじゃないと思う。

こんなシチュエーションじゃなくてもエイミーみたいな人ってい
>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.0

【予想外に良かった】

娯楽作品として面白かった。

キム・ダミは、まあ美人系じゃないけど、可愛かったし、親友もいいキャラ。

アクションはワイヤーやCGを使ってるにしても、速いし途切れなく、飽きずに
>>続きを読む

帰れない山(2022年製作の映画)

4.8

【全てを受け入れる山】

原作を読んでいた。
構成がちょっと違うのだけれども、映画らしくて、もし読んでいないのであれば、読まないで臨んだ方が良いかもしれない。

これは切ない。

切ないが、二人の友情
>>続きを読む

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.4

【雨ニモマケズ】

僕は、あの政次郎が机の端に見つけて目を通した「雨ニモマケズ…」の手帳のレプリカを持っている。

僕が手に入れた当時は限定販売で完売だったように思うが、花巻市がふるさと納税目的で、再
>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.2

【タイトル】

えっとね、フランス語の原題タイトルは「美しい朝」なんだけどね、この邦題タイトルはね、映画のテーマそのものなんじゃないのかなあ。

ネタバレだよね笑
ある意味。

藤原帰一さんが、個性を
>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

4.1

【Oui】

今、ヨーロッパの多くの国々が直面している移民の問題で、分断の大きな要因となっているのは、新しく入ってきた移民が、これまで自分たちが築き上げてきた社会保障などの制度に、言わば、ただ乗りして
>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

【”I love you, guys”/戻ってくるさ】

今回はユーモアより感動に重きを置いたらしい。

このシリーズは、もともと多様なんだけれども、今回の「Vol.3」は、更に登場キャラに個性が与
>>続きを読む

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.9

【面倒臭い映画】

※ 「追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭」

ゴダールが昨年尊厳死を選択した。
彼は、この世界と決別したのだろうか。
いや、彼のこの世界での彼の役割と決別したのではないのか。
>>続きを読む

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

4.3

【オーメン?いや、銀河鉄道〇〇○。答えは案外単純?いや、映画にありがちな作為的な意外性】

※ 「追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭」

これは、面白いけど、面白いか!?と言いたくなる。
矛盾も愛お
>>続きを読む

ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

5.0

【受胎告知】

※ 「追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭」の鑑賞した順にレビューを書くつもり。

①「マリアの本」はミエヴィルの監督作品。子供は両親のことをつぶさに観察していて、よく理解しているとい
>>続きを読む

>|