ワンコさんの映画レビュー・感想・評価

ワンコ

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徒花-ADABANA-(2024年製作の映画)

4.8

【もうひとつの問いとアンサー】

徒花(あだばな)とは、実をつかない花。
むだばなとも読む。

この「徒花」は、カズオイシグロさんの「わたしを離さないで」の視点を変えたもう一つのストーリーであり、オマ
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まる(2024年製作の映画)

4.4

【アートのお値段】

最期の場面、きっとこのアート作品が一番の傑作ってことになるってことだろうなと思っていたら、ドンピシャでそうだったので加点した😁

20年以上前、ある日本人の女性人気作家さんの作品
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ソウX(2023年製作の映画)

4.3

【ジグソウ君の出番です!】

また特殊詐欺の果てに被害者の命が奪われたなんてニュースを目の当たりにして、ジグソウ君の出番だ‼️なんて思う。

プロサッカーチームが、選手などへの誹謗中傷で刑事告訴して受
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破墓/パミョ(2022年製作の映画)

3.7

【進撃の巨大武者】

ファリム演じるキム・ゴウンのキレッキレな祈祷の踊りに一票!😁

身体中に経文を書くなんて”耳なし芳一”っぽいが、まあ、映画はすっきりしないっていうか、こうした手の付けられない非合
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チャチャ(2024年製作の映画)

4.5

【一方通行と共依存/「憐れみの3章」へのオマケ】

前情報を出来るだけ排除して観ると楽しい気がする。
終盤に差し掛かって、ええっ!?ってなるし……😁

最近の「憐れみの3章」で描かれた共依存的なところ
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ショーン・オブ・ザ・デッド 4K(2004年製作の映画)

4.5

【条件反射/世界の憂鬱】

つい最近、俳優のケヴィン・ベーコンがホラー映画のおすすめホラー映画20作品をXに投稿していて、この「ショーン・オブ・ザ・デッド」もランクインしていた。

5年ほど前に「ショ
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BISHU 〜世界でいちばん優しい服〜(2024年製作の映画)

4.0

【才能を見出す】

才能を見出すのはどんな人にとっても大切なことだ。

この「BISHU」は発達障害の子供とどう向き合うのか考えるような作品だと思う。

つい過保護になりがちな親。

何かにつけてから
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ボルテスV レガシー(2024年製作の映画)

3.5

【フィリピンでのあれやこれや】

日本の合体ロボットアニメに対するリスペクトが感じられる作品だと思う。

日本では思ったような人気は出なかったものの、フィリピンで最高視聴率が60%近くまでいった超人気
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二つの季節しかない村(2023年製作の映画)

5.0

【複雑だが単純】

トルコは長らく日本の友好国だ。

日露戦争で日本がロシアに勝利し、トルコに対しても脅威だったロシアの力を削いだということがきっかけだった。

この作品は、”3時間を超える””会話が
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ピアニストを待ちながら(2022年製作の映画)

4.8

【存在と不在、希望と……】

他のSNSで、こんなの下北かどっかの小劇場でやれよ!みたいな酷い書き込みを見かけたが、僕はかなり楽しめた。

貴織を演じた木竜麻生ちゃんが好きってこともあるけど、この示唆
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最後の乗客(2023年製作の映画)

4.2

【心が乾いたら観たい映画】

「侍タイムスリッパー」で風見恭一郎を演じた冨家ノリマサさんがタクシードライバーのお父さん役を演ってます。

ところで、乗客が忽然と消えるという話は実は古く、江戸時代まで遡
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若き見知らぬ者たち(2024年製作の映画)

3.4

【無題】

社会の不条理のなかで翻弄されながらも生きる若者たちを見つめた作品だ。

ただ、やりきれなさもそうだが、ここまで不条理な状況を積み重ねなくてはならなかったのかと、作品としては、
あまり好きに
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

5.0

【パーフェクト】

Folie a Deux(フォリアドゥ)とは妄想がひとり、またひとりと感染していく様を表しているらしい。

この「Folie a Deux」は、観るものの期待を打ち砕いたという意味
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室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)

4.2

【抗わざるをえないもの】

抗うのではない。
抗わざるをえないのだ。

映画で室井慎次の出身地は、秋田の本荘ということになっているけど、柳葉さんの出身は確か秋田の大仙市だ。

映画では室井慎次が移り住
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2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

4.0

【去来するもの】

僕の母は6人兄弟の末っ子。
母の兄弟で唯一戦争に行った長男はずいぶん前に他界したが、戦後しばらくして生活が安定した頃、戦争で赴いていた台湾にもう一度行ってみたいと旅行に出かけていた
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はじまりの日(2024年製作の映画)

3.5

【中村耕一さん】

元JAYWALKのボーカル中村耕一さんと遥海さんの歌が圧巻な作品だ。

ただ、ストーリーや演技やミュージカル演出は多少目を瞑って欲しい😁

その代わりと言ってはなんだが、脇を固める
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グラディエーター(2000年製作の映画)

5.0

【歴史スペクタクル大作】

※間もなく「グラディエーター2」が公開になる。リバイバル上映

”アリーナ”という言葉は施設の正式名称にも使用されて一般的になっているのだと思うが、語源は、ローマに旅行に行
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ロール・ザ・ドラム!(2019年製作の映画)

4.5

【世界の縮図】

1970年のスイスの田舎が舞台で、映像の雰囲気とか見ていてリバイバルだとばかり思って観ていた。

違った、2019年の作品らしい😁

物語はシンプルなのだけれども、実は複雑な要素を織
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機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

4.5

【先を見通す目】

2026年(?)に最新作が公開されるらしい。
ちょっと早い気もするが、事前にリバイバル上映となったのだろうか。

バブル景気に沸く頃に制作された作品なので、アニメとは云え、地上げと
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ごはん(2017年製作の映画)

4.0

【何気に考えさせられる】

「侍タイムスリッパー」の監督やスタッフの前回作....多分。

主役の沙倉ゆうのさんもね。

なんか米不足だの価格高騰だの取り沙汰される中での上映だ。

それに良く考えると
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HAPPYEND(2024年製作の映画)

5.0

【近い将来のその先の未来】

※上映後舞台挨拶があった。

空音央監督が、午後にパレスチナ支援のデモに参加すると仰っていたが、行けたのだろうか。

雨だったし。

この「HAPPYEND」の映画のラス
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花嫁はどこへ?(2024年製作の映画)

4.5

【なんか素敵な作品】

ジャヤ役のプラティバー・ランターは、目の辺りが中村アンちゃんに似てて美人だよね。

この作品は、単に花嫁の取り間違いってことじゃなくて、ミステリー要素の他に、女性に対する偏見や
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ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ(2024年製作の映画)

4.0

【人間の身体は壊れやすい】

勢いでこの「ドキュメンタリー」も観てしまった。

でも、なかなか良かった。

後半のインビューシーンでちょっと泣けた。

俳優として無名な伊澤さんが、高石さんが引っ張って
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リトル・ダンサー デジタルリマスター版(2000年製作の映画)

4.5

【羽ばたく】

ミュージカルとしては日本でもプラチナチケットと言われたこともある「ビリー・エリオット」のオリジナルだ。

日本語タイトルが「リトル・ダンサー」ってのは変更しても良いんじゃないかと思う。
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

5.0

【アメリカ、そして世界】

現代のアメリカ社会の対立・分断を内戦というかたちで表現した映画作品だ。

そして、荒唐無稽な娯楽作品にならないように、戦場記者の目を通し見つめる設定にすることによって、人間
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

4.2

【放送事故】

こうした心霊系の放送事故で他を寄せ付けないと考えられるのは、実は日本の昔のテレビ番組だ。

それは、今ではテレビ関係者もなかなか触れることのない、1981年ABC朝日放送の”生き人形”
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鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版(2024年製作の映画)

4.5

【ゲゲっ‼️】

猫娘って、あんな美人じゃなかった🤪

この「ゲゲゲの謎」の「真生版」は、恐怖演出を復活させて、R15指定になったらしいとのことで興味をそそられた。

オリジナル版をちゃんと記憶してい
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ふれる。(2024年製作の映画)

3.5

【問題提起】

とある新聞にあった辛辣な映画評を読んだ。
この「ふれる」についてだ。
たぶん、問題解決があっさりしてるとか、違和感がありすぎるとか、そんなところだったかもしれない。

出身地ガチャの3
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Apple Original Films『ウルフズ』(2024年製作の映画)

5.0

【イケオジ2人】

※AppleTV+作品…で劇場公開予定だったが、広範囲での劇場公開方針を限定的な劇場公開方針に変更されたため、日本では公開は中止され配信のみになった。

アメリカでは限定公開され、
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ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

4.5

【まだ2回のコールだよ】

実はちょっとしんみりした。

ウィノナ・ライダー演じるリディアが薬の服用を巡ってあれこれする場面があるからだ。

ウィノナ・ライダーは高校時代から芸能活動をしていたことを背
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ビートルジュース(1988年製作の映画)

5.0

【ファンタジック・ホラーの金字塔】

日本だったら、自殺や孤独死で幽霊が家や部屋に憑くという事故物件的な感じが多いような気がするが、英米では所有者の執着心のなせる業なのかお屋敷にはお屋敷の所有者の霊が
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

4.0

あー、間違ってレビュー消しちゃった。

ってことで、記憶を辿りながら再チャレンジ。

【Beyond the Sea】

切ないけれども、どこかに希望や奇跡は残っているって思わせるような作品だと思う。
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.8

【コミュ障のモラトリアムvs.コミュ障のオタク】

特定の事業の自主規制団体として、”〇〇業協会”ってのは世の中にたくさんある。

法律で雁字搦めにしないで自主規制を作り、道徳的な視点や、時代の変化に
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

【公正取引法】

まあ、稼げる商売にはライバルが登場するのはつきものだ。

独占なんてあり得ないのだ。

市場の規模というか、顧客の規模が一定だったら、ライバルのシェアをなんとかして奪い取ろうとするの
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.5

【殺し屋の日常、僕たちの日常】

ニュースで違法詐欺の果てにお年寄りの命を奪っただの、トー横の家出少女に売春をさせただのニュースを見るたびに、こいつら死んだ方が良いよと僕は頭の中でこいつらを次々と殺し
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西湖畔(せいこはん)に生きる(2023年製作の映画)

3.5

【無題】

日本でマルチ商法を巡る報道が少なくなったのは、ECが広がって商品の横比較が容易になったことや、違法グループが商品製作などコストがかからないことからオレオレを含む詐欺に向かうようになって手間
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