名波ジャパン10

波紋の名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
4.1
日本で女性として生きることの息苦しさ、鬱屈が込められていながら、それを笑い飛ばしている怖くて、それでいて痛快な作品。介護、新興宗教という現代風のテーマを重くなり過ぎずにズバッとその本質をえぐって描いているのは見事です。さすが、荻上直子監督。女性監督ならではの作品です。また、筒井真理子がハマり役の壊れていく女性を好演。木野花、江口のりこと実力派女優が脇を固めて、正に女性の女性による女性のための映画。男性には殆どホラー映画。ジェンダーレスの時代ではありますが、こんな作品があっても良いと思います。手拍子のパーカッションを映画音楽代わりに用いた演出は斬新でしたが、題名の波紋に拘った心象風景の描写はシン・ヱヴァンゲリヲンとダブってしまい、ちょっと要らなかったのでは。