名波ジャパン10さんの映画レビュー・感想・評価

名波ジャパン10

名波ジャパン10

映画(1036)
ドラマ(0)
アニメ(0)

型破りな教室(2023年製作の映画)

4.2

本国のみならず米国でも大ヒットしたメキシコ映画。貧困と犯罪の町の小学校に赴任した教師が一生この町から抜け出せないと絶望している生徒たちに自らの可能性を信じ、夢に向かって努力することを教えようとひとり奮>>続きを読む

ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

3.7

60年代の米国を舞台としたオートバイ乗りの物語とあって「イージーライダー」的なオールディーズの音楽に彩られたロードムービーを期待していましたが、見事に空振り。荒くれライダー達がグループを作って一緒に走>>続きを読む

バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

4.2

日本では1989年にミニシアターで公開されて以来何度も再上映され、その度にファンを広げている不朽の名作。ロサンゼルスからラスベガスに向かう砂漠の道路に面したダイナー兼ガソリンスタンド兼モーテルの「バグ>>続きを読む

ホワイトバード はじまりのワンダー(2024年製作の映画)

4.2

「ワンダー 君は太陽」ファンとして「もうひとつの物語」という謳い文句に惹かれて鑑賞。前作でオギーをいじめていたジュリアンがその為に退学となり、転校先の学校で今度は誰とも関わらずに過ごそうとして居場所を>>続きを読む

はたらく細胞(2024年製作の映画)

3.8

「笑って泣いてタメになる」のキャッチコピーそのままの映画。ただもともとが教育用コンテンツだけに対象年齢はやや低め。コミックの実写化には成功していると思います。永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜、阿部サダヲ、山>>続きを読む

ラブ・アクチュアリー 4Kデジタルリマスター(2003年製作の映画)

4.2

20年前の名作のリマスター版。クリスマスの季節の10組以上の愛の形を描くロマンチックコメディー。10以上の愛のエピソードをこんがらがることなくそれぞれコンパクトにまとめて描き切ったシナリオと編集は見事>>続きを読む

劇場版ドクターX(2024年製作の映画)

3.7

単独の映画作品として評価するとしたら、合格点とはいい難い作品。TVドラマ並みのテンポと医療監修のアバウトさが映画館で観るとなるとかなり気になります。ただ、ドクターXの最終話、西田敏行さんの遺作として観>>続きを読む

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

4.2

「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督作品。二重三重の仕掛けを張り巡らせたクライムサスペンス。内野聖陽、岡田将生といった芸達者を集めて「カメラを止めるな!」のB級映画、インディ感はゼロ。A級のエンタメ>>続きを読む

ベルナデット 最強のファーストレディ(2023年製作の映画)

4.2

当初はフランス国民からの好感度は低かったものの徐々にその心を掴み絶大なる人気を得るに至ったファーストレディ、ベルナデット・シラクの変貌の物語。2000年前後のフランス政界の裏側、当時の社会の女性観を描>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

4.1

死刑囚が脱獄し、様々な人々に出逢いながら逃亡を図っていくというストーリー。結末はほぼ予想出来るのですが、その予定調和のエンディングの演出は見事。横浜流星の5つの顔を演じ分ける演技力も賞賛に値します。「>>続きを読む

室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

3.7

う〜ん、何を評価したらいいんだろうと悩む作品。室井慎次の物語であることは確か。ただ、この作品は「踊る大捜査線」シリーズなんだろうか「北の国から」のリメイクなんだろうか?里親と里子の家族愛を描いたヒュー>>続きを読む

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.2

正にスペクタクルなハリウッド大作。製作費150億円。邦画の大作を10本、「侍タイムトリッパー」なら500本撮れる規模です。製作費に見合った大迫力、迫真の映像でしたが、なぜかそれだけ。古代ローマを舞台と>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.3

絶賛しても絶賛しきれない傑作。102分のファンタジー・ポエム。不要なものを削ぎ落として、台詞まで削ぎ落としながら(台詞は一切無し)、映画の全てが完璧な形で詰め込まれています。NYCのカルチャー、ファッ>>続きを読む

十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.8

煙、炎、暗がり、豪雨の多用、こだわりの衣装といった黒澤明を彷彿とさせる映像で、黒澤明が映画界に生き続けていることを再認識させてくれた作品でした。ただ、それだけに画面が暗くて見にくい、衣装が薄汚ない、更>>続きを読む

DOG DAYS 君といつまでも(2024年製作の映画)

3.7

犬が主役の映画はそれだけで反則で、犬の可愛さに癒されてハズレ無しの安心して楽しめる作品がほとんど。ただ、本作品は犬が主役というより、犬を介した幾つかの人間ドラマを撚り合わせたオムニバス的作品です。韓国>>続きを読む

八犬伝(2024年製作の映画)

3.8

滝沢馬琴と葛飾北斎の半生が描かれるとともに「里見八犬伝」が劇中劇として組み込まれており、「1粒で2度美味しい」作品。それだけに2時間29分の長尺になってしまっているのですが、それでも、かなりの部分が割>>続きを読む

アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.2

ヒューマンドラマというよりは人情劇、いや、人情噺。繋がるはずのない人同士が絶妙に繋がれて描かれる様々な人間模様がテーマです。若くして事故で命を落とす女性カメラマン。残された親友の女性、残された両親の深>>続きを読む

ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

4.1

CODA(聴覚障害の両親から生まれた健常者の子供)の物語。アカデミー作品賞の「コーダ あいの歌」やそのオリジナル版のフランス映画「エール!」に比べるとウェット感は否めませんが、そこが日本映画の良さだと>>続きを読む

本日公休(2023年製作の映画)

4.1

台湾映画。町の理髪店を40年間守り続ける女性理髪師とその家族、常連さんとの日常を描く人情ドラマです。理髪店といえば地元の人にとっては一番馴染みの期間が長く、話をする時間の長い職種ではないでしょうか。こ>>続きを読む

室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)

3.8

まず、観る前に留意しておかなければならないのは、本作品が2部作の前編、あるいは導入編だということ。不覚にもこれを知らずに観たので、何時本編が始まるのだろうと期待したままエンディングを迎え、完全に肩透か>>続きを読む

サウンド・オブ・フリーダム(2023年製作の映画)

4.2

映画の内容はともかく、映画の新たな意義を提示している作品です。米国の国土安全保障省の捜査官が国際的人身売買組織に誘拐された少年・少女達を解放する為に単身コロンビアに潜入するという実話に基づくストーリー>>続きを読む

HAPPYEND(2024年製作の映画)

3.8

坂本龍一の長男である空音央の初長編映画作品。日本の近未来の高校が舞台の青春群像ドラマです。海外からの移民が増加する中で社会の分断が進み、社会情勢が不安定化するという設定となっています。また、地震が多発>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.7

なんともはや評価しにくい作品。ジョーカーの殺人罪を裁く法廷劇のドラマとジョーカーをモチーフとしたミュージカルという相容れない2つの要素から構成され、現実と妄想が交錯する作品となっており、殆どの観客が混>>続きを読む

2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

4.3

2度のオスカー受賞に輝き、70年に亘る俳優としての活躍によりナイトの称号を与えられた英国の名優マイケル・ケインの引退作品。また、同じく2度のオスカー受賞女優である共演のグレンダ・ジャクソンは、本作品公>>続きを読む

ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.7

言うなればトリュフ、キャビア載せの超豪華ラーメンの脂マシマシ、ニンニクマシマシ作品。VFXは多用されていますが、ビートルジュース他の幽霊を特殊メイクで丹念に作っているのはB級映画の矜持。とはいえ、超大>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.8

制作費2,600万円、スタッフ10名の「侍タイムスリッパー」を観た直後だけに制作費75億円、スタッフ500名超の大作の臨場感とリアリティには正直圧倒されました。とはいえ、それだけ。どちらが良質なエンタ>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.2

安田淳一監督が自ら愛車を売却し、通帳残高7,000円になるまで資金を注ぎ込んで完成させた究極の自主制作映画。スタッフは僅か10名程度。エンドロールには安田淳一の名前が監督以外のパートに10回以上出てき>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.7

「女王陛下のお気に入り」、「哀れなるものたち」に続くヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンというサド・マゾコンビによる作品。サド・マゾ度は「哀れなるものたち」より更にヒートアップ。ランティモス監督>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

3.9

キャラの立った登場人物、緩〜いガールズトークと対照的にキレキレッなアクションという個性的なシリーズ作品の3作目。ハマれば中毒化するファンが多い一方でパターン化に飽きてくるファンも少なくないと思います。>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.2

小学6年生の吃音で運動が苦手な少年が中学1年生のスケート少女に寄せる淡い想い、そして、スケート少女のコーチへのほのかな恋心。小樽と余市の美しい自然と街並みを背景に3人の純粋な想いが穏やかな旋律を奏でま>>続きを読む

あの人が消えた(2024年製作の映画)

3.8

ライトタッチのミステリー。二重三重のドンデン返しはありますが、それほど込み入ったストーリー展開でもないので、余り考え込むことなくサクサクと楽しむことが出来ます。演出次第では本格的なミステリーに仕立てる>>続きを読む

熱烈(2023年製作の映画)

4.2

ある意味で衝撃的な中国映画。描かれているのはブレイキンのチームバトル。ブレイキンといえば自由・解放・独創性のシンボルとも言うべき米国のポップカルチャースポーツ。ブレイキンを通じての青春映画と反米・全体>>続きを読む

ボストン1947(2023年製作の映画)

4.2

ベルリン五輪マラソン競技で金メダルと銅メダルを獲得したソン・ギジョンとナム・スンニョン。ただ、日本の統治下だったために日本人の快挙として扱われ、日本敗戦に伴う解放後もその記録の国名が変更されることはあ>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

4.2

外資系大手ECサイトの非人間的な労働環境、大手ECサイト・配送業者間の不当な取引条件といった社会問題を背景に、無差別爆弾事件というサスペンスが展開する社会派サスペンス。台詞が一言(!)という中村倫也も>>続きを読む

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

3.6

村上春樹の短編6編を1つに編集し、長編アニメ化したフランス映画。村上春樹ワールドがいい感じのテーストで描かれており、ノーベル文学賞の候補に挙げられる村上春樹の世界観の普遍性を改めて誇らしく思える作品と>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.3

凄まじい映画。邦題の「ソウルの春」は1979年10月独裁政権だった朴正煕大統領が暗殺された直後から翌1980年5月の非常戒厳令拡大措置までの民主化ムードが漂った時期を指しますが、本作品で描かれているの>>続きを読む