こうしくん

波紋のこうしくんのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
3.5
いやーなんか全体通しては理解不能!って感じなんだけど一個一個の出来事を見るとなんかわかるなーっていうすんげー不思議な気持ちになる映画だったわ。

少し前に『決断コスト』というワードを目にして、昭和までって(平成まで、かな)これはこうあるべきとか、こうしなければならない事だらけで決断コストが今と比べて圧倒的に低かったんだろうな、良し悪し両側面あるよなとか考えてたところ。

今までずーっとこうあるべき・こうしなければに縛られて我慢に我慢を重ねてきたこの主人公はたぶん、決断する能力やキャパシティを失っていて、それを新興宗教に委ねた。息子の目からそれは「頭おかしい」と映り、大概の人がそう思うんだろう。
でも統一教会信者なんて結婚とかいう人生でドデカすぎるイベントすら決断を宗教に委ねちゃうわけ。まぁ昭和まではお見合い婚のが多かったんだし、結婚相手は自分で決めるというのも現代の価値観が作り出した決断コストなわけだ。そして息子はきっちりと自分の決断によって結婚相手を選んでいるという対比も。

で、決断をすることができない・したくない人にとって宗教ってほんとちょうどいいし必要だと思うんだよね。
金銭に直結するのが問題なだけで。日本は何を信じたって自由なんだし。

キムラ緑子と木野花が主人公にとっての教祖みたいに見えた。
しばらくは両方を信仰してたけど、木野花が神様みたいに素晴らしいわけではなくゴミ屋敷に住んでいてきっかけは震災という実に人間臭い面を知って、キムラ緑子を超えたのかなぁ。

最後のフラメンコは画として非常に面白かったしハンドクラップが鳴ってた理由はここにつながってたのかという驚きもあったけど、意味は読み取れなかった🤣
解放の象徴なんだろうけど。。。
喪服の中赤いのは妄想というか彼女の精神を表してるのかな?
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