ShinMakita

最後まで行くのShinMakitaのレビュー・感想・評価

最後まで行く(2023年製作の映画)
1.9
雨の夜…埃原警察署刑事・工藤は、危篤の母の元に駆けつけようとクルマを飛ばしていた。そこに上司から電話が入り、暴力団・仙葉組から工藤が賄賂を受け取った件で県警本部の監察が動いていると聞かされる。焦った工藤は、道路に飛び出した男を避けきれずはね飛ばしてしまう。男は既に死んでおり、やむなく工藤は死体をトランクに放り込んで発車するが、すぐに検問に引っかかってしまった。仲の悪い交通課員が無理矢理トランクを開けようとするのを止められず、万事休すと思ったそのとき、たまたま通りがかった県警監察課の矢崎という男が救い出してくれて…




「最後まで行く」


以下、砂漠にネタバレがいたんだよ。

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韓国映画のリメイク。韓国のノワール、スリラーは日本でいくつかリメイクされてますけど、俺ベストは「ブラインド」→「見えない目撃者」と思ってます。「22年目の告白」、そして本作は…改変が独特過ぎて、俺はダメでした。

今回の日本版「最後まで行く」、チョ・ジヌンに相当する綾野剛がいきなり登場してオリジナルの「謎の男」感が薄らいでます。そして置かれた立場・背景も描かれていて、彼もまた切羽詰まっているのが解る仕組みに。このアプローチ、岡田・綾野の二枚看板映画としては正解なんだけど、プロット的には中盤まで正体が明らかにされない方が圧倒的に怖いと思います。そしてオチ…とことんツイてなかった男が最後に必要以上のラッキーを手にするから笑いとなるのに、シリアスでシュールなアメリカンニューシネマ的な終わり方はどうも違和感が拭えなかったな。まぁ、この改変の良し悪しは個人の好み、と言っちゃえばそれまでだけどね。

いくら大晦日でも、刑事が1人死んでるし、県警本部長がタコ殴りで半殺し(いや、死亡か?)になっているのに、それについては何の警察描写もフォローも無いってのは変。娘が誘拐された割に広末涼子も大人しすぎな気もしたし、気になるところが多々ありました。面白いし、藤井監督ならではのケレンとスケール感は堪能できるし、悪くは無いです。しかしやはり、オリジナルの方が良かったなと思う次第。
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