すし酢高跳び

よっす、おまたせ、じゃあまたね。のすし酢高跳びのレビュー・感想・評価

3.6
男の子同士のじゃれあいとか、バカな感じが面白いと思っていたら、なんだよ全部が一気に押し寄せて、思いがけずグッと来ちゃったじゃねーかよ!のやつでした。

元は『7丁目のながふじくん』という舞台を映画化したこの作品。ロードムービーというのが、もう良い雰囲気出しちゃってる。

ちばしん(橋下淳)は大学受験に失敗し、30歳の今まで絶賛引きこもり中。毎日部屋でゲームばかりしていた。

ある日、両親から車の移動を頼まれて駐車してあげてたら、お母さんから将来の事とか言われて、ギクシャク。そんな時、ひょっこり小学生の頃の親友、ながちん(稲葉友)が『これ借りたまんまだったから返しに来た』とファミコンのカセットを渡される。

キョトンとなっていたのも束の間、ながちんは『俺、死んでるから一緒に死体見に行って欲しいんだよねぇ』って、言われる。

デヘヘッじゃねーし。

ただ、死んでるなら他の人から見えなかったり、触れなかったりするはずなんだけど、ながちんは確かに存在している。

ちばしんは、引きこもりだし表情も固い。人との会話もなんだかぎこちない。
親友だったとはいえ、それ小学校の時の話だし、自称幽霊って何の事?

よくわかんない冗談に巻き込まれながら、ながちんが行きたい所を目指して、いざ出発。

どうしても会っておきたい人々がいる、というながちん。そこで見るのは、ながちんがどう生きてきて、どんな人と関わってきたのかです。

皆、一様にながちんを歓迎し、更には突然現れた親友のちばしんの事も受け入れてくれるのです。

しかも、今まで片想いだった女の子に告白までする、ながちん♡

行きつけのバーでは何故だか、ちばしんの事をマスターも常連客もみーんな知っているのです。子供の頃やったイタズラや武勇伝を口を揃えて話せるほど。

それだけながちんは、当時の思い出を大切にして、俺にはこんな素敵な親友がいたんだぞ、って自慢していた証拠なんだなぁと思えました。

この頃には、すっかり皆と打ち解けて、本来の明るさを取り戻している、ちばしん。

そして、とうとうながちんの家に到着。
そこで親友ちばしんが、目にしたものは?

コンパクトな中に、笑える部分とグッとくる部分がちょうど良いバランス。これきっと、劇場で観てたら結構泣いたなぁ、ってやつです。

会いたい人がいるなら、やっぱ会える時に会わなきゃダメだよね、って思わせてくれたし、いつか出来ると思ったら、いつまでも出来ない事もあるぞって言われた気がしました。
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