タイトルから漂うバカ映画。出オチ作品こそセンスが問われるわけだが、これはちょっと頂けない。
ラリった熊に襲われるというあまりにバカバカしいアイディアこそ魅力的なのに、それをどう面白く描くかという努力がまったくない。コカインでおかしくなったのはト書きであり設定であり、その様子をちゃんと描写してくれないとどうにもならない。
これでは凶暴な熊なのか、ラリったからヤバい熊になったのかその差異がちっともわからない。どうせバカ映画なんだからもっと非現実的なギャグを入れればいいのに、突き抜けたものが何もない。
犠牲者の造形にもセンスがなく、やられるためのカタルシスの作りかたが下手。やり取りがつまらないせいでテンポが悪くなるので、そういう点ではイラッとくるのだが、犠牲者に求めるのはそういうメタ的なイライラではないのだが…。
アイディアは良いのにもったいない。