ゆるゆるスライダー

狙撃者のゆるゆるスライダーのレビュー・感想・評価

狙撃者(1952年製作の映画)
3.6
まったくメジャーな作品ではなさそうだが、とても良い。女性をひたすら憎み蛮行を重ねる犯人像を、この時代ですではちゃんと描こうとする作品があったとは。

犯人の造形が実に良い。ただの気が狂った悪役ではなく、快楽犯でもなく、ベターな人情劇で同情させるような過剰さもない。まさにどうしようもないのだが、哀れである。

終盤、執拗にボールを投げつけるシーンなどは暗澹としつつもちょっと笑ってしまう秀逸さ。よくできた映画だ。