随所にタルコフスキーの影響がある。ロシアの美しい風景を活かした、淡い夢の漂う、叙情詩。求心力は余りにないが、良質な作品

「薔薇の香り」「トランペットを持った天使」「The Last Sunset」の3本立て。

見たことのない題名だったのでなんとなく借りてみたら日本人の作品だった。
３作品とも共通して、故人に想いを馳せる主人公。
「薔薇の香り」は、全編通して人の気配があまりにも無さすぎて強烈なディストピア感が最高だった。正に夢のようで現実か疑う。
「トランペットを持った天使」は「エルスール」を彷彿とさせる感じで、女の子が可愛かった。友達の男の子が吹くトランペットがあまりにもリコーダー過ぎる。
「The Last Sunset」が1番長くて印象薄かったけれど、画面いっぱいに広がる自然が凄く綺麗だった。この３作品の中では、唯一主人公が夢から目覚めたのではないだろうか。

全体的に詩的で日本人らしからぬセンスを感じる作品。