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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜のwtnbmghのレビュー・感想・評価

2.0
観る前、サンボマスター主題歌というの予告で観て大根と映画クレヨンしんちゃんの解釈一致…🥹と思ってちょっと期待してたのに大きく裏切られた。まず脚本下手すぎか?というかストーリーテリングがなってない。一見日常から非日常へ移行する映画しんちゃんのお約束を踏襲してるようだけど表面的になぞってるだけで敵キャラである非リア充がまったく感情移入できない空疎なキャラになってしまっている。時代遅れのステレオタイプな弱者男性像だし、最終的に何の救済にもなっていない。仕事も家族も全て持っているヒロシに「がんばれ」って言わせることの残酷さ。あのシーンは全員サイコパスにしか見えなくてアニメ史上に残る最低なシーンだと思う。
既存作品から持ってきたような見覚えのあるシーンの切り貼りでわかりやすいものにしたかったのかもしれないけど帰ってきたドラえもん的な喧嘩でいじめっ子に勝つって…結局トキシックマスキュリニティな社会の勝敗の中で生きていくしかないって言ってるようなもんじゃん。しかもしんちゃんと一生に育ってきたという描写の後にそれは…酷過ぎる。しんちゃんは戦わないことを教えてくれたんじゃないの??
CGもアクションシーンは良かったと思うけど日常パートとか人物の動きゲームの『オラの夏休み』のチュートリアルみたいになってんじゃん…、。しんちゃんのあの絵、あの線はやっぱり平面アニメじゃないと、と思った。みさえとか風間くんの髪型スネ夫以上に無理ある笑。
CGだけど輪郭線をつけているというところにいかにしんちゃんがあの“描線”ありきで成り立っているかが再確認させられる。
あと音楽の使い方も…ブリブリ王国の秘宝とか新婚旅行ハリケーンの挿入歌のセンスを再確認…。いや、『キミノヒトミニコイシテル』めちゃくちゃいい曲だし好きだけど…しんちゃんに渋谷系は違うでしょ…。お前の趣味やんけ…。それやるならしんちゃんの過去の主題歌使うとかしてほしかった…。サブタイトルに絡めて『とべとべおねいさん』とか…。
ギャグもキレ悪かったしなあ。ボーちゃんがよしながせんせいとしんちゃんのけつだけ星人を比較して「キレが違う」って言ってたけど(そこは笑った)終始キレ悪〜と思ってしまった。面白くないネタで天丼多過ぎる。

最後に良かったところも。
ひろしのドライビングテクニックやカンタムロボをしんちゃんの念力で動かすところなんかは映画しんちゃんらしくて胸熱だった。でも「野原家ファイヤー!」もなかったしなぁ…。大根は大人帝国とか戦国とかのいわゆる名作とされてるクレしんしか観てないのか…?あんまり舐めるなよ…?

クライマックスは廃墟の遊園地という舞台設定も好きだった。
エンディングは初期の作品であった本編のその後を見せてくれる作りになっていて良かったしやはり臼井儀人の絵が、アニメの線が大好きだし素晴らしいということを改めて感じさせてくれた。皮肉にも。サンボマスターの主題歌もよくて、大根仁のイノセンスが唯一有効に発揮された要素だと思う。

CGで絵は凄かったけど映画クレヨンしんちゃんなるものへの理解度というか解像度が低くてガッカリ。The Movieというタイトルなので正式な映画クレヨンしんちゃん扱いではないのかもしれないけど。コスチュームも違うし。
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