とーいち

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜のとーいちのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

劇場にて鑑賞。
初の3DCGアニメ化ということで期待半分くらいで観に行ったが、しっかり面白かった印象。

今回、敵対するのが組織でなくほぼ個人。

現代のいわゆる「リアルが充実していない」男をクレしんタッチで絶妙に描いており、それが今作で野原一家に立ちはだかるのが面白い。

今や3Dアニメのアクションに関しては海外の作品をはじめ、目を見張るものが数多いが、今作のCGは3Dでしっかりクレヨンしんちゃんの世界を踏襲して舞台を演じていた。
テンポも良い。

近年はメッセージ性を込めた作風が多かったが、今回はその辺に関しては割とあっさり。
個人的にはそういうのばかりでも疲れるので今回は非常に良い塩梅で鑑賞できたと思う。

追記。他の感想を見ながら思うことがあったのでネタバレを含む。
最後非理谷に向けてひろしが頑張れと声援を送ったことについて賛否があるようだが、個人的には肯定的に捉えたい。
自身の話になるが、今の職場環境には様々な人たちがいて、中にはコミュニケーションの難しい、それこそ作中の非理谷に似た様な性質を持った個性の人物達に年齢問わず会ってきた。
大概、仕事に対して消極的で作業上のアドバイスまたは注意などを呼びかけても聞かない場合も多々あり。
そういう人へ何を言えば適切なのか考えるのが非常に難しいし明確な回答は存在しない。

そんな時代だと日々働いていて感じるし、ひろしの頑張れという台詞は聞く人によっては煙たいんだろうなと思う。
ただ、声援としてはとてもシンプルで快活で魅力的に映った。

それをエモい表現を用いて出せばレビュアーの星は取れたものをあえて排除したようにも感じる。

その大胆さを個人的には評価したい。
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