みぞみぞ

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜のみぞみぞのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

前半はひたすら耐え難く、
でも一転してラスト30分はかなり面白く、
つまりは考えどころの多い作品だった。

人生に絶望してしまった青年が、少年の頃に自分を支えてくれていたしんちゃんという存在を取り戻すことで明日を生きる活力を得る、というところは素直に感動できたわけで。
つまりは、
彼のような存在を現代社会の負の側面の象徴のように描いてる描写がつまらなかったということなんだろうな。

現代社会にここまで直接的に言及するならそれ相応の覚悟が必要で。
描写をシンプルにすることでエンタメ性を獲得しようとすると、単純化の過程で漏れてしまった色んな視点や感情が悪目立ちしてしまう。
現代社会の複雑さをちゃんと描き切りながらエンタメ性も兼ね備えるという無理難題にチャレンジしようとする姿勢がそもそもこの作品からは感じられなかったから、前半は見るのきつかったんだなと思ったな。
そのやり方するなら、現代社会に言及する必要なんてないよ。
普通に彼を生きることに絶望した1人の若者として描いてくれれば良かったわけで、そこにもっと大きなテーマとかメッセージを背負い込ませたから、嫌なモヤモヤが生まれてしまったように思うなぁ。


あと、色々言われてるラストのひろしのセリフだけど。あんな長尺では要らなかったんじゃないかなと思う。その時点で話の大事なポイントが分かってない人はあのセリフ聞いたところで分からないだろうから。ただただメッセージが過剰になって客の反発感情を引き出すだけになってたような気がしたなぁ。
みぞみぞ

みぞみぞ