このレビューはネタバレを含みます
2023年27本目！
よかった……………。
主人公眞人がかわいい。
ほとんどわけもわからず「パヤオがマッドゴッド作ったらこんな感じですか？」とアホみたいなこと思ったりもしたけど
ラストにかけての流れでわけもわからず泣けてきてしまった。
きっと作りたいもの作ったんだな〜。
だからというわけじゃないけどヒットするかしないか…でいったらしなさそう…と思っちゃう。
広告打ち出さなかったということもあるが、説明もないしわかりづらいから。
しかしなんとか理解したいなと考えながら観ると、
自分の気持ちが反映されたからだとは思うがなんだか泣けてきてしまった。
つまりいい映画ってこと！！！
それとジブリのアニメーションってなんか言葉にできない愛くるしさがある。
かわいい生き物や愛らしい動物の動きに人間の造形に飯テロシーンなど、theジブリ！要素もふんだんに詰め込まれてる。
このシーンハウルっぽいな〜とか千と千尋っぽいなーとか、あーもののけ姫みたいじゃん！みたいなこう、ポンポンと他ジブリ作品をあえて連想させてる気がしたのは自分だけかな。
ラストの「悪意のない」夢のような世界を1から作り替えられるという状況におかれても、主人公眞人がそれを選ばなかったこと、一見よくある展開なんだけど
こういう描き方、好きーーって思った。
時代はそもそも戦時中だし、
眞人の大好きだった母は死んで
そんな母とよく似た母の妹が父親と再婚という言葉にできない気まずさがある。
学校でも浮くし喧嘩もしちゃうしご飯もまずい。
そしてせっかく新しい母、夏子を変な世界に入ってまで助けに行ったのにも関わらず帰れとか大嫌いだとか言われちゃうし……。
でも、こんな状況におかれても、
眞人はそんな現実の方を選ぶ。
正直心開いてるわけではないけどお腹に赤ちゃんのいる優しい夏子のことを当たり前に心配して
キリコのような大人の言うことを素直に聞く。
自分をなんだかんだ助けてくれる醜い青サギのことを友だちと言って、
石で自分の頭をぶつけるのを「悪意」とし……。
ああ眞人、一体君はなんて健全なんだ……
と泣けてきちゃった。
だって、現代において、色々うまく行かないことがあったときや居心地が悪い時、他人から否定されたとき、極端なほうに突っ走ることが多いよなあ〜人間は…。もちろんそれは自分も含めて…と思ったから。
眞人は裕福だし父親は父親なりに自分のこと想ってくれてるし新しいお母さんは優しいのだけど、あんな子どもだったら、そんな現実と、なんだか選ばれしものっぽい状況で新しい悪意のない世界を作れる理想を天秤にかけられたときに迷いそうな気もするが
眞人は迷っていなかった。よね…？
もうさっき観て既にうろ覚えだけど…。
意図的にあらゆる分断が図られてるような気がしなくもない現代だなと感じることが多い今日この頃、眞人の行動に対して結局冷静に考えたら、いや、考え無くてもそうだよね〜…としみじみ感じてしまったのである。
これってパヤオのメッセージ？！
て思っちゃったりして！
はい。個人の感想です。
自分的には何回も観に行こう！みたいなタイプの映画じゃないけど
あー不思議と観れてよかったなと感じた映画だった。
