このレビューはネタバレを含みます
アニメーションを通してフィクションを作り続けた男の生き様。
映画の解釈は無限にあって良い。と再発見した作品だった。
個人的には、あれだけ力強くあったメッセージの担い手が、最後の最後のまで、葛藤し、もう正しいも間違いも何を伝えたらいいか分からなくなってる所に鳥肌と涙が止まらずだった。それ程、今を生きるという事の難しさを痛切に感じた。
あの石でできた積み石達は、絵を書く人達が最初のデッサンで習う、基本型の形達。自分なりの本物○、本物△、を人生の中で習得し、それを積み上げて、自分が正しいと思った答えにたどり着いたはずだった。が積み上げてたものもバランスが崩れ、ギリギリの状態が続く。
監督自身、自分がやってきた功績を自分自身でぶち壊し、更地の状態にして次の世代に新しい答えを託す。バトンのような瞬間をラストに感じた。
「オレはこう生きたよ。
でも、これからの未来に何が大切なのかは正直今もわからない。でも、生きた中で、これはあっても良かったかなってものはここ(映画)に置いておく。そこから見つけるもよし。見つけないもよし。」
君たちはどう生きるか?
これを見た自分はどう生きるか。