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君たちはどう生きるかのたのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.1
色々な観点があるけど1番大きな印象は、気味が悪い。奇っ怪。でもひきつけられてしまう。

所謂ハリウッド映画なストーリー展開や、派手な神作画アクションシーンを映画に求めている人は多い。わかりやすく、共感しやすいので。

しかしこの作品はどれも逆張りしている。
何言ってるかわかりにくい、画面の凄さが伝わりにくい、気味が悪い。
画面でもストーリーでも演出でも敢えて非常に難しく、伝わりにくい共感しづらい手法をとるなんて、本当に巨匠だなあ。


と言っても、元々ジブリのアニメーションは地味な部類に入ってるのでそれはこれまで通り。
例えばTRIGGERのアニメーションならではな愛嬌や派手さなどのわかりやすいフックはない。地味だが、しかし本当に精密で丁寧でハイレベルな技工の塊でエグ凄い。

一方で演出面、ストーリーにおいてこれはこれまでのジブリにはないインパクトがあり、かつ忘れられない作品になると思う。

どこかで見たことがあるのに、普段なかなか見かけない、簡単には描けない様な珍妙さと、珍妙だけで決して終わらない心地よさと素晴らしさがあって丁寧にまとめられていた。そこがよかった。

清濁ごちゃ混ぜの宮崎駿120%って感じだろうか。 
こんな意図してエンタメしてない映画は数々の名作を作り出してきたビッグネームなジブリで、宮崎監督でなければゆるされない気がする。
本当に最後の作品になるから好きに創ったって感じもする。
それでもちゃんとまとめられているし観てる人の気も引けるんだから、本当に巨匠なんだなあ。

もう一度いうが画面はずっと本当にエグい。最高峰。 正直画面だけでも本当に価値がある。
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