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君たちはどう生きるかのざのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0
宮﨑駿の原液と言い出したひとはすごいな、ほんとそう!とおもう
ちからをかけて、駿の、原石を世に残していってくれてありがとう。わたしたちは原石を持って、そのなかにある光を見出し形をわかろうとするのだろう。生涯をかけてゆっくりと
駿に出会えてよかったとこころから思う!






追記感想




おかえり、いってらっしゃい

見終わった時、とにかくありがとう、ありがとうと思った。駿の魂を残してくれて。
そのまんまだと思った。たぶんこれ、ほぼ駿そのままだ。

そしてすぐ頭の中に思い出されたのは、京都芸術大学21年度卒展 美術工芸学科学科長 竹内真里子教授から送られた言葉「生きつづける理由」だった。(https://purple-purple.com/article/229/)

生み出すことは、創ることは、完成させることは本当に難しくて力のいることだとおもう。思いを馳せたとしてもぜったいに届かないほど尊い。

塔は創作のかたまりだと思った。ひらめきとか、まだ言葉にも想像にもならない前段階のナニカ。あるいは心
塔の中にたくさん積まれている本は自分を構成する言葉や体験、経験なのかもしれない

青鷺が誘導する お待ちしていましたぞ あなたの心に向き合うときを

夏子さんは自分で探す。と言う眞人

石が積まれている。今までの軌跡におそるおそる触れて、倒れないことを確認する。これで1日は大丈夫だ、という。なんて頼りないんだろう。心が締め付けられた。駿も、ぶるぶる震えながら確認し、枯れるように安堵する大叔父のような、そんな心許ない日があるのでしょうか。泣きそうになる。

インコチャンは作品の鑑賞者わたしたち大衆だったりして、とか思ったり。だとしたら食ってかかってごめんだし、クソを撒き散らしてごめん笑

友達はあなたの隣にいてくれるもののこと
(special other!特別な他。人でも本でも音楽でも、なんでも)
私はどういう物語をつくるだろう
友達をつくります


2回目を観て気が付いた。最後、眞人がポケットに手を入れたシーンがなんとも言えなかった。
千と千尋のラストもそうだったけど、石のことはすっかり忘れているかもしれない。何気なく手を入れただけかもしれない。それはただのクセかもしれない。でも何かを思い出すかもしれない。そんな小さな希望をこの目で見た。

そして主題歌の地球儀もヤバい。「また出会う夢を見る いつまでも〜僕は道を曲がる」のあたりが本当にヤバい。
駿はきっと、何度だって物語を描くのだろう。光るものを掴み、しまった!めんどくさいと言いながら最後まで描き続けるのだろう。それはどんなに孤独な作業なのだろうかと、あなたを想うと胃が熱くなる。涙が出る。



で、なんでおかえりいってらっしゃいなのかはまじで感覚人間だからうまく言えないんだけど
きれいなだけではない自分自身の物語をつくった本当の駿、おかえり
それを世に放った、本当の駿へ。いってらっしゃい


さらに追加感想

眞人が傷をつけるところ、すごく痛々しくて胸が締め付けられる。ずっと自分の感情と闘ってたんだろうな。抗えない運命と現実に直面してきて、どうしようもなかったんだろうなあ。言葉にも出来んよなあと。大量の赤い血が涙にも見えた。

保健室の先生の「人や物を傷つけなかったんだね。偉いね」って言葉を思い出す。
ざ