未々

君たちはどう生きるかの未々のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

戦時中、男が男らしくいなければなかった時代で憧れられた女性像とは何か?
強さ、畏怖、庇護
細田守作品で女に護ってもらいたすぎるだろうと思ったことがあるが、男も強さを強いられているのだ

戦火の炎と炎に包まれたひみ
子を持った母

奪われた母というイメージ
死によって、父によって、お腹の中の子によって、鳥によって

大叔父、王さま
ひみ、卑弥呼、姫、という音の繋がり

くちばしにあいた穴と頭につけた傷と、もう一つ何かあったけど忘れた

鳥という醜さもあるイメージ

語り直している
ハウル、ラピュタ、千と千尋、もののけ姫、ポニョ…
生き物の郡に覆われる、孤立する島、トンネルと黄泉の国、老婆、鳥、まとわりつく紙、炎、小さな間の抜けた精霊たち、楽園
後ろを向いてはいけない、手を離してはいけないの掟(オルフェっぽくもある)

木は脆く砕ける描写が多く、世界は幾何学の形の墓と同じ石で創造される
木造という昔のものと石造(レンガ造のイメージ)という大陸からの近代的なものの対比かと思ったが、最後には無関係に全て崩れていたので違うのかも

塔が崩れる、何かの価値観が崩れることである(ファルスみたいなことですか?)
崩壊により対立した物事の境目が曖昧になる、向こう側だと思っていたものと繋がる
そのような時代の後にどう若い者が創造していくか…生きていくか

向こうからお人形と石を持って帰ってきた描写は、神社の石を持って帰るとどうなるだとか夢の中で出会った死者から食べ物をもらってはならないなど聞いた話を思い出す

久しぶりに大きい映画館に行った
大きい画面と、画面の中の人物が対峙する自分より遥かに大きいもの

アニメ映画を観ると絵が動くことはつくづくすごいと思う
何十年も前のジブリ作品と絵柄や色味が変わらないこと、その何年も耐えうる強度
新しい人もどんどん入っているだろうに
深夜の自転車での帰り道では周りのもの全て人間が作ったのだと思いこの世の人の多さをまた感じた こんな夜に出歩いている人も結構いるし、人は多すぎる

もっと読み解ける部分があるだろうけれど読み解いたとて
分からないと聞いていたけどフェリーニとかよりはよっぽど意味分かるとは思った
ポジティブなメッセージは感じています
悪意のない世界
未々

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