※ネタバレ無しです
①宣伝しない宣伝は大正解、おそらく予告編が出ていたらわたしは観ていなかったし、そういうライト層を取り込めているはず(けど見てよかった)
②「すずめの戸締り」やクリストファーノーラン監督作品の履修歴があればストーリーは理解できるはず
③鳥とカエルパラダイスなので鳥類無理な人は気をつけて(序盤冷や汗かいた)
宣伝しないということは、公式のあらすじやキャッチコピーがない、つまりこの映画を観た後にどう言葉にするかが完全にこちらに委ねられていて、自分の思考と語彙力が試されているということ。
少なくとも私はこの映画のあらすじをまとめようとしてその難しさに気づき、震えてしまった。
ただこの映画を「よくわかんない」とか「ジブリっぽくない」と思考を放棄してSNSに書き込むこと、そういう人がいることすらこの映画が伝えたかった今の世界の有り様なのではないかと思う。
あの人が眞人に向けて放った言葉は確実に、"わたし"に向けて言われている、そう感じた。
この映画によって、わたしたちは否定されるわけでも肯定されるわけでもなく、ただ、ただ、問われ、試される。
なのに、不思議と今こうしてレビューを書いているときに涙が出てくるのは、作り手はこの世界に、そして私たちに期待しているんだろうということが伝わってきたから。
余韻がこんなに残る作品はこの先あるのだろうか。